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SEI子さんと学ぶ もっと知りたいあの製品技術

本製品は、4月6日(水)~8日(金)に開催される、第16回光通信技術展(FOE2016)でご紹介する製品です。

製品データ

販売開始時期 2016年4月

多回線切替マルチスロット型 光スイッチ「IX-OPTSW」

光スイッチって何?

光通信ネットワークは、生活を支える重要なインフラとして、通信を途切れることなく維持することが強く求められています。その光通信ネットワークに想定外の障害が発生したとき活躍するのが、今回ご紹介する光スイッチです。

光スイッチは、障害が発生した際に自動で断線を検出し、光回線を予備のルートに切り替えます。高い信頼性と迅速な切り替えにより、安定的な通信の維持に貢献しています。

光スイッチ「IX- OPTSW」の特長は?

今回ご紹介する光スイッチ「IX-OPTSW」の大きな特長は、「省スペース」、「連動切替」、「運用柔軟性」の3点です。

①省スペース:本製品は、19インチラックの大きさで、最大32 個の光スイッチが搭載可能です。他の光スイッチに比べ、筐体スペースに対し実装されているスイッチ数が多く、コンパクトであるため、スペースを有効活用できます。

②連動切替:「IX-OPTSW」は最大16台の筐体、512個のスイッチをグループ分けして扱えます。異なる筐体どうしのスイッチでも、同一グループに帰属させることができ、障害発生時の断線や、電気信号による1つの指令で、各グループのスイッチ回線全てを瞬時に切り替えることができます。

③運用柔軟性:モニタ機能を備えた4個のスイッチで1つのスロットが構成され、1つの筐体あたり最大8スロットの搭載が可能です。需要に応じてスロット数を増減できる運用柔軟性を有しているため、初期投資を抑えることが可能です。シングルモード・ファイバ(※1)やマルチモード・ファイバ(※2)など、対応する光ファイバの種類をスロットごとに変えることもできます。

以上の3つの特長により、特にデータセンターのように、多種・多数の光回線を扱う用途でご活用いただけます。

※1
シングルモード・ファイバ(SMF):光を伝送するコア部分が10μm以下の細いファイバ。コア内は、1つのモード(光の通り道)で構成。
※2
マルチモード・ファイバ(MMF):コア部分が50μm や62.5μmと太いファイバ。コア内は、複数のモード(光の通り道)で構成。
技術者に聞きました
SEIオプティフロンティア(株)
ネットワーク機器製品部
津崎 哲文
津崎 哲文

開発・製造する上で難しかったことは何ですか?

ハードウェア面では、現行製品の2倍の実装密度で光スイッチとPD(※3)を基板に実装し、装置前面パネルの限られたスペースに光インターフェイス、状態表示用のLED、スイッチ切替用のプッシュボタンを配置する必要がありました。そのため、各部品の小型化、高機能化といった開発や使用部品の選定、それら各部品の配置の最適化を図るのに苦労しました。前面パネルの部品配置では、複数のサンプルを作成して何度もお客さまを訪問し、使いやすさを重視した設計を盛り込むことができました。

ソフトウェア面では、連動切替と高速切替を両立させるため、各種プロトコルの組み合わせやハードウェアとのタイミング合わせを相当数試行した結果、目標性能を実現することができました。これらの試行錯誤には、多数の方に参加していただいたため、さまざまな意見をうまくまとめ、製品に反映させることにも、少し苦労しました。

※3
PD:光パワーモニタ素子

お客さまからどのような反応をもらっていますか?

「これだけ高密度だと、光コネクタ挿抜時に指が入らなかったり干渉したりしそうだけど、配置をうまく設計されているため、使いやすい!」「特殊な配線をせずに設定だけで、遠隔からもスイッチ同士の連動を自由に変更できるのは大変便利!」「複数のスイッチを連動できるので、カスケード接続(※4)することで、複雑なルート切替にも使えそう!」とお褒めの言葉をいただきました。

※4
カスケード接続:樹形図状に多数の機器を繋ぐ接続のこと。

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