品質・顧客満足度向上

基本的な考え方

住友電工グループは、顧客重視、品質重視の考え方のもと、安全、安心で高品質な製品を安定して提供することを基本的理念としています。これを実現し続けるため、基盤となるモノづくり力を強化するとともに、日々の品質業務を仕組みとして体系化し、それを着実に実践し、さらに仕組みを改善していく取り組みを続けています。

モノづくり力強化については、これまでの当社の歴史のなかで全員参加、継続的改善などの基本的な考え方のもと脈々と取り組んできました。これらの活動をさらに強力に進めていくため、2015年からグループ横断組織としてモノづくり強化委員会を設置し、モノづくり強化活動を推進しています。

品質業務の仕組みの体系化では、当社グループの全部門が守るべき品質に関する基本ルール「住友電工グループ品質管理基準」を定め、各部門は、このルールに沿って、品質保証体制の整備と品質保証機能の強化に継続的に取り組んでいます。

体制

当社グループの品質に関する事項は、全社品質管理委員会で審議・意思決定し、決議事項は品質管理部が運営するCQO*会議やQR-1推進会議で議論の上、品質保証統括責任者(CQO)を通じて事業部と国内外関係会社へ展開しています。各事業部のCQOと連携をとり、当社グループの品質に関するガバナンス強化・品質保証体制の整備・品質保証機能の強化を推進していきます。

*CQO:品質保証統括責任者、Chief Quality Officerの略。品質保証統括責任者は各事業部門を代表する品質保証責任者(品質管理部兼務者)であり、原則、事業部センター部門の品質保証部長が担う。

体制(品質)
体制(品質)
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QR-1 運動ロゴマーク QR:Quality & Reliability(品質と信頼性)

QR-1運動の展開

品質に対するお客さまの要求がますます厳しくなっていくなか、当社グループでは「お客様の立場で業務全般を見直し、Q(品質)R(信頼性)体質を改善して、お客さまにとってナンバーワン企業を目指そう」をスローガンに、全社品質活動であるQR-1運動を展開しています。この運動では、その時々の状況に対応した当社グループの重点課題をQR-1推進会議の中で議論、設定し、取り組んでいます。

QR-1活動を支える3つの活動
QR-1活動を支える3つの活動

1.クレームゼロを目指す自工程保証活動

自工程保証活動は各工程で不良を作らない(発生防止)と後工程に流さない(流出防止)を総合的に進める取り組みです。設計段階では不良を作らず、流さないための良品条件(良い製品を作るための必要条件)を設定し、量産段階では良品条件を維持する工程管理を行います。それでも発生する不良・不具合に対しては、原因を解明して良品条件を追究します。当社グループの各部門は、それぞれの製品の自工程保証に取り組んでいます。さらにコーポレート部門の品質管理部が、活動実践者の教育や部門間の交流をはじめとした支援活動を通じて、自工程保証活動のさらなる活性化を推進しています。

2.「品質管理教育」の強化

当社グループでは、製品・サービスの品質をより高いレベルに向上・安定させることを目指しSEIユニバーシティによる社員の品質管理教育を実施しています。全員対象の階層別研修、専門的業務や特命事項に応じた指名型研修、知識習得のための選択型研修、さらに実践型教育であるQR-J*やMKP*、GKP*等の国内教育の充実を図るとともに、海外では、米州モノづくりコミッティ活動やアジア地区での自工程保証活動教育および交流会を実施しています。

 

*QR-J:各部門の自工程保証活動の中核者を養成する「QR-J:自工程保証実践者養成コース」の略称
*MKP:将来の工場長候補やモノづくり基幹人材の育成を目指す実践型研修「モノづくり革新プロ・実践道場」の略称
*GKP:工場の管理監督や改善推進のキーパーソン育成を目指す実践型研修「現場改善プロ・実践道場」の略称

3.「グローバル品質監査」の実施

各部門の品質活動状況を「住友電工グループ品質管理基準」に照らし合わせ、お客さまの視点で評価するグローバル品質監査を計画的に実施しています。グローバル品質監査では、マネジメント、設計、製造、センター機能の観点から、組織の弱みを明確にして体質改善への取り組みの契機にするとともに、その後の各部門の体質強化活動の支援も行っています。

品質コンプライアンスについて

法令やルールを遵守し、お客さまが求める品質を確実に満足する製品を提供していくことは、企業として持続的に発展していくための絶対的な基盤です。当社グループでは、品質コンプライアンスを徹底するために、品質不正防止に関するルールの明確化と教育の拡充と品質不正チェック機能の強化を重点的に取り組んでいます

営業部門での顧客満足度向上に向けた取り組み

当社グループの事業は、ほとんどが企業間取引であり、日常の営業活動などを通じてお客さま(企業)のご意見やご要望を的確に把握し、お困りごとを解決することが顧客満足度向上に直結し、ひいては企業としての存在価値の向上につながると考えています。

こうした営業活動の品質強化のために定期的なお客さまへの顧客満足度調査と各営業員へのフィードバックを行っています。外部コンサルタントと協力し、営業員にはお客さまの問題把握や解決策提案の方法論の研修、管理者層には部下の管理・指導方法の研修を行い、お客さまに、真のビジネスパートナーとして認めていただけるよう、営業品質のレベルアップに努めています。

物流品質の向上に向けた取り組み

物流品質の向上に向けた取り組み

当社では輸送中の製品事故(荷物の破損や汚損等)を防ぎ、確実にお客さまへ製品をお届けするために、輸送を委託している運送会社と一丸となって、物流品質の向上に努力しています。

特に輸送中の製品事故の半分近くを占めるフォークリフトによる破損を減らすために、その基本操作に関する注意点をまとめた映像教材を作り、社内、関係会社だけでなく、各運送会社でも活用していただいています。また「フォークリフト基本作業遵守活動」として有資格者が不定期で現場作業を確認指導するなど、さまざまな対策に取り組んでいます。