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トップメッセージ

株主の皆様へ 第148期報告書より

平素は格別のご支援を賜わり、ありがたく厚く御礼申し上げます。
当社グループの当期の業績につきまして概況をご報告いたします。

社長 井上 治

当期の業績

当期の世界経済は、米国では景気拡大基調が持続し、欧州や中国でも持ち直しの動きがみられるなど、総じて堅調に推移いたしました。日本経済につきましても、輸出や設備投資が増加し、緩やかな回復基調が継続したものの、米国の経済政策の影響や地政学的リスクなどから、先行きについては依然不透明な状況となっております。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、海外を中心にカーメーカーの自動車生産が増加したことから、ワイヤーハーネスや粉末合金、焼結部品の需要が堅調に推移したほか、光ファイバ・ケーブル等の情報通信関連需要も増加しました。このような環境のもと、当期の連結決算は、売上高は3,082,247百万円(前期2,814,483百万円、9.5%増)と前期比で増収となりました。また、営業利益も需要の増加に加え、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)でのコスト低減の推進などにより、173,139百万円(前期150,503百万円、15.0%増)、経常利益は195,010百万円(前期173,872百万円、12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は120,328百万円(前期107,562百万円、11.9%増)と、それぞれ前期に比べ増益となりました。

なお、期末配当金につきましては、当期の業績等を勘案し、前期比2円増額の1株当たり25円とさせていただきました。これにより、中間配当金(21円)を含めました当期の配当金は、前期に比べ6円増配の1株当たり46円となります。

対処すべき課題

今後の世界経済は、全体では緩やかな回復が続くことが期待され、日本経済につきましても、雇用・所得環境の改善を背景に回復基調の継続が期待されます。しかしながら、米国の通商・金融政策や新興国経済の不確実性、地政学的リスクの高まり等による景気の下振れリスクは依然存在しており、引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。

このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と住友電工グループ経営理念を事業活動の根底に置き、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のさらなる進化に努め、企業体質の一段の強化やグローバリゼーション、研究開発の早期事業化など、成長に向けた取り組みを加速し、本年度からスタートする中期経営計画「22VISION」の達成に向け、グループを挙げて邁進してまいります。また、各事業において次の施策を進めてまいります。

まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスをコアとするメガサプライヤーを目指し、電動車両向けの高電圧ハーネスや電池関連製品、軽量で耐久性に優れた高強度アルミハーネス、自動車の電子制御に対応した電装部品や高速通信用コネクタなどの開発・拡販を加速してまいります。また、海外系顧客のシェア拡大に努めるとともに、電動車両や自動運転、コネクテッドカーの普及を見据え、グループ内の連携強化や他社との協業を通して製品開発力を強化し、さらなる事業拡大に取り組んでまいります。住友理工㈱では、自動車用防振ゴム・ホースなどにおいて、グローバルに広がる営業・開発拠点を活かして拡販を図りつつ、次世代自動車に向けた新製品開発へも取り組んでまいります。

情報通信関連事業では、光ファイバ・ケーブル、100Gbpsの高速光デバイス、携帯基地局用GaN(窒化ガリウム)デバイスについて、グローバルでの需要捕捉に引き続き取り組むほか、海底ケーブル用の極低損失光ファイバや、データセンター向けの超多心光ケーブルの拡販も一段と進めてまいります。また、第5世代移動通信システムの整備や動画配信・クラウドサービスの拡大等による通信データ量増大に伴う光ファイバや次世代光・電子デバイスの需要増への対応にも注力してまいります。

エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCについて徹底した品質改善・コスト低減に加え、グローバルな拡販に引き続き注力してまいります。また、当社グループの総合力を活かし、さらなる高精細・極薄・高耐熱化による新製品の確実な立上げや車載市場等への事業拡大にも取り組んでまいります。さらに、電子ワイヤー、照射チューブについても、グローバルでの生産強化と拡販を加速してまいります。

環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルの製造体制を強化しコスト低減や品質改善をさらに進めていくとともに、国内外の大型電力ケーブルプロジェクトの受注獲得、老朽化設備の更新需要の確実な捕捉により、収益力の向上を図ってまいります。このほか、電動車両向けのモーター用平角巻線などの拡販を進め、さらに日新電機㈱や住友電設㈱を含めたグループ総合力を活かして、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連事業の拡大にも注力してまいります。

産業素材関連事業では、超硬工具においては、生産能力増強により国内外における需要の捕捉をこれまで以上に進めるとともに、主力の自動車分野に加え、航空機やエネルギー分野での難削材加工用の新製品開発と拡販を強化してまいります。また、焼結部品において国内外での供給体制の一層の強化を図るほか、PC鋼材やばね用鋼線についても、グローバル生産体制の拡充と拡販に注力してまいります。

研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業・新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、エネルギーマネジメントシステム関連製品の早期事業化に向けた開発と国内外での実証試験を加速するほか、超電導製品、マグネシウム合金製品、水処理装置、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体デバイスや次世代通信ネットワーク用製品などの事業化に注力します。さらに将来に向けては、自動運転や電動車両に対応する車載機器開発体制の強化や新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を活かした新製品の開発に注力するとともに、製造現場でのAIやIoT活用による生産革新、サイバーセキュリティ対策にも積極的に取り組んでまいります。

最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続・発展するための絶対的な基盤と考えております。なかでも競争法コンプライアンスは最重要の課題と位置付け、平成22年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定して以来、グループ全体でその強化に取り組んでまいりました。今後も、住友事業精神の「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

平成30年6月

社長 井上 治


社長 井上治はブログでも日常のさまざまな出来事を発信しております。よろしければ「住友電工 社長Blog」もご覧ください。
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