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トップメッセージ

株主の皆様へ 第147期期末報告書より

平素は格別のご支援を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
当社グループの当期の業績につきまして概況をご報告いたします。

社長 松本正義

当期の業績

当期の世界経済は、概ね緩やかな回復傾向が続いたものの、英国のEU離脱問題や米国の新政権発足による不確実性の高まり、新興国経済の成長鈍化による影響懸念などから、先行きへの不透明感が強まっています。日本経済も、個人消費が伸び悩み、足踏み状態となりました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、海外を中心に自動車用ワイヤーハーネスや光ファイバ・ケーブル、光・電子デバイス等の需要は堅調であったものの、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)の需要減少、及び円高や銅価格下落の影響が大きく、厳しいものとなりました。このような環境のもと、当期の連結決算は、売上高は2,814,483百万円(前期2,933,089百万円、4.0%減)と前期比で減少しましたが、利益面では、グローバルでのコスト低減、新製品の開発・拡販を進め、営業利益は150,503百万円(前期143,476百万円、4.9%増)、経常利益は173,872百万円(前期165,658百万円、5.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は107,562百万円(前期91,001百万円、18.2%増)と、それぞれ前期に比べ増益となりました。

なお、期末配当金につきましては、当期の業績を勘案し、前期比3円増配の1株当たり21円とし、さらに創業120周年記念配当2円を加え、合計23円とさせていただきました。中間配当金(前年同期と同額の17円)を含めました当期の配当金は1株当たり40円(普通配当38円、記念配当2円)となります。

対処すべき課題

今後の世界経済は、欧米における政策の不確実性、新興国経済の下振れリスク、政情不安や金融資本市場の変動による影響等により、さらに不安定となることが懸念されます。日本経済も個人消費等に力強さを欠く状態が継続し、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と住友電工グループ経営理念を根本に据え、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)のさらなる進化に努めながら、中期経営計画「17VISION」の最終年度にあたる平成29年度(2017年度)を、中期目標の達成に向けた仕上げの年として、各事業において次の施策を進めてまいります。

まず、自動車関連事業ではグローバル総合部品メーカーを目指し、自動車の軽量化に寄与し耐久性に優れた高強度アルミハーネス、環境対応車向けの高電圧ハーネス、複雑化・高度化が進む自動車の電子制御に対応した電装部品や高速通信用コネクタなどの開発・拡販を加速してまいります。また、海外系顧客向けのさらなるシェア拡大に努めるとともに、一層のコスト低減にも注力してまいります。住友理工㈱では、自動車用防振ゴム・ホースにおいて、買収した海外事業の拠点、販路、技術などを活かして、グローバルでの拡販を図りつつ、引き続き体質強化に努めるとともに、収益力の向上に取り組んでまいります。

情報通信関連事業では、光ファイバ・ケーブル、100Gbpsの高速光デバイス、携帯基地局用GaN(窒化ガリウム)デバイスについて、海外での堅調な需要の確実な捕捉に引き続き取り組むほか、海底ケーブル用の極低損失光ファイバ、超多心光ケーブルをはじめとするデータセンター関連製品や、高度道路交通システムの拡販を一段と進めてまいります。また、アクセス系ネットワーク機器の新製品拡販にも引き続き注力し、収益力のさらなる向上を図ってまいります。

エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCについて当期は需要減少や競争激化に加え、新製品の生産立ち上げ遅れにより採算が厳しくなりましたが、グローバルでの徹底した品質改善・コスト低減と拡販に注力するとともに、当社グループの総合力を活かし、さらなる高精細・極薄・高耐熱化による新製品開発や車載市場等への事業拡大に取り組み、収益改善を進めてまいります。また、電子ワイヤー、照射チューブについても、グローバルでの生産強化と拡販を加速してまいります。

環境エネルギー関連事業では、昨年11月にサウジアラビアの国営石油公社サウジアラビアン・オイル・カンパニーと海底電力ケーブルの長期納入契約を締結しました。さらに本年3月にドイツのシーメンス社と高電圧直流送電分野で連携協力することに合意しました。同社のコンバーター、当社の高圧直流電力ケーブルといった先端技術をもとに、お客様に対し最適なソリューションの提供を進め、これらの取組みにより、グローバルでの拡販を加速してまいります。また、コスト低減による収益力向上や品質の強化に引き続き取り組んでまいります。このほか、環境対応車向けのモーター用平角巻線や電池用金属多孔体の拡販を進め、さらに日新電機㈱や住友電設㈱とも連携し、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連事業の拡大にも注力してまいります。

産業素材関連事業では、昨年9月に米国大手焼結部品メーカーであるキーストーン社を買収しましたが、これにより当社焼結部品事業の米国におけるプレゼンスを向上させ、さらなるグローバルビジネスチャンスの獲得に取り組んでまいります。超硬工具では、中国、台湾、インド等新興国市場における需要捕捉をこれまで以上に進めるとともに、引き続き原料調達体制の強化を図ってまいります。また、主力の自動車分野に加え、今後の伸長が期待される航空機や精密加工分野向けの新製品開発と拡販を加速いたします。このほか、PC鋼材やばね用鋼線についても、グローバル生産体制の拡充と拡販に注力してまいります。

研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業、新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、電力線通信応用製品の事業化に向けた開発と国内外での実証試験を加速するほか、超電導製品、マグネシウム合金製品、水処理装置、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体デバイスや次世代通信ネットワーク用製品などの事業化に注力します。さらに将来に向けては、先進交通安全システムや新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を生かした新製品の開発に注力するとともに、製造現場でのAIやIoT活用による生産革新、サイバーセキュリティ対策にも積極的に取り組んでまいります。

最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続・発展するための絶対的な基盤と考えております。なかでも競争法コンプライアンスは最重要の課題と位置付け、平成22年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定して以来、グループ全体でその強化に取り組んでまいりました。今後も、住友事業精神の「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。

当社は本年4月1日をもって創業120周年を迎えました。これもひとえに、株主各位のご理解と温かいご支援の賜物と深く感謝し、厚くお礼申し上げます。今後とも、持続的な成長と企業価値向上に全力を挙げて取り組みますので、一層のご支援、ご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。

平成29年6月

社長 井上 治


社長 井上治はブログでも日常のさまざまな出来事を発信しております。よろしければ「住友電工 社長Blog」もご覧ください。
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