CPVは、高日射環境において結晶シリコン太陽電池など従来型の太陽光発電システムに比べ、優れた発電能力を発揮します。当社は、2010年より「薄型」でかつ「軽量」を特長とするモジュールの開発に着手し、2012年から社内でシステム実証運転をしてまいりました(写真1)。今回宮崎大学には、当社のこれまでの開発成果を評価頂き、2014年3月19日より当社CPVを将来有望な次世代型太陽光発電システムと位置付けた研究設備として活用頂いております。
この設置したCPVは、64モジュール搭載システム 2基となり、2基を合計したモジュール定格出力は15kW以上(測定条件CSTC*1)となります。また、当社のCPVモジュールは、発電出力を落とすことなく「絵」や「文字」をモジュールに映し出すことが可能で、1基には全面に大学ロゴマークを表示しています(写真2)。
今後も当社CPVの優れた特長を活かしながら、よりコストパフォーマンスの高い製品開発を推し進め、高日射環境の国々や地域を中心に、新しい発電システムとして拡販してまいります。
【当社CPVの特長】
- 1.高効率、高出力でかつ高温度環境に優れた発電システム
- CPVは、発電効率が極めて高い化合物半導体の発電素子を用い、太陽を正確に追尾しながらレンズで直達日射光を集め発電する仕組みになっています(図1)。発電効率は標準的な結晶シリコン太陽電池に比べて約2倍で(図2)、また発電素子の温度依存性がほとんどないことから、CPV は直達日射量が多く気温が高い地域で有効な発電システムとして期待されています。
- 2.薄型で軽量なモジュール
- 集光型太陽光発電装置業界でトップレベルとなる、厚み約100mm、重量10kg未満の薄型軽量モジュールを開発しました。薄型で軽量なモジュールは、輸送時のモジュール積載効率の向上や現地設置作業効率の向上、また、太陽を追尾する架台に多く搭載できるなどのメリットがあり、発電システムのトータルコスト低減に貢献できると考えています。
- 3.設置エリアの有効活用
- 太陽を追尾する架台の上にCPVモジュールを設置する構造のため、モジュール下のスペースを駐車場、花壇、農地等として活用することが可能です。
*1 CSTC
IEC国際規格「Concentrator Standard Test Conditions」の略称。
以上