2008年06月30日 08:54 株主総会を終えて


 住友電工の株主総会は6月26日に無事終了致しました。事務方にとって、準備は大変でしょうが、年に一度、当社の株主の皆様方に対して、現況の事業報告を行うとともに、特に今後対処すべき課題について、企業集団を率いていくTOPとして、夢のあるビジョンを具体的にわかりやすく説明したつもりです。わたしが議長として実力を発揮できたかどうかは、実際にその場に出席された株主皆様の評価を伺ってみたいと思ったりしています。


 実際に声を張って語っていく中で、今後の進むべき道がよりクリアになっていくようなところもあり、経営者としてのMissionと責任を果たすことに身が引き締まる思いもしますが、わたしは株主総会は決して嫌いではありません。ある意味、大いに楽しんでいると言えましょう。


 本年の総会は、所要時間1時間15分。ご出席の株主様は390名でした。
最近は株主の皆様から、多彩なご質問を頂戴するようになっています。今期も「環境問題への関わり」、「技術・製品開発への取り組み」、「セグメント見通し」、「従業員、スキル継承」といった幅広い視点からの質問に、経営陣より精一杯回答させて頂きました。
 いずれも当社グループへの深い関心と、そして手前味噌ですが経営への信頼に基づいたご質問であり、最終ユーザー向け商品が少ないためになかなか知名度が上がってくれない我がグループではありますが、こういった熱心な株主の皆様が支えてくださっていることを深く感謝したいと思います。


 実は、今年の株主総会は会場を変更致しました。昨年までこの数年間行っていた場所が少々手狭になってきており、また交通の便は必ずしも良いとは言えない部分もあったので、大阪でも最も格式高いホテルの一つ、梅田の『ザ・リッツ・カールトン大阪』ホテルにて行いました。
 結果的には、ご出席者は昨年比70%以上増加したようであり、使用しない予定だった座席を急遽開放したようです。大変に嬉しい話であり、株主の皆様に喜んで頂けたのなら良かったなあと心からほっとしています。


 去年にも書きましたが、株主総会は株式会社の最高の議決機関であります。株主の皆様が心から賛同してもらえるような会社運営を行うことが、我々取締役に課せられた責務であり、そのことを念頭に置いて業務執行に取り組んで行きたいと思っています。

2008年06月27日 09:21 笑いの真意(PART II)


 外は今日も時雨ながら、中では紅茶を手に暖炉の前で百家争鳴。
 今振り返ると、彼-サイモン・ペイトン氏-は、グローバリゼイションの裏付けとなっているアングロ・サクソン文化の本質を驚くほど鋭く言い当てていた。英国の有識者らしく静かに、しかし歴史の教訓も交え的確にキーワーズを列挙していた。
 曰く、Freedom (自由)、Fairness (公正)、Transparency (透明度)、 Flexibility(柔軟性)、Competition(競争)がその本質であり、この文化の中で伍していく組織は、Leaner (無駄のない)、Tighter (筋肉質の)、Smarter(機敏な)、Faster (迅速な)でなくてはならないこと。また、リーダーに要求される資質は、Listening (耳を傾け)、Feeling (心で感じ)、Touching (実行する)で、それらを通して資源(人・物・金)の最適配分を行い成果を挙げるのが務めとも言った。日本的経営が反省期にある現在、彼の論を思い起こすと、今にして「成程」と思うところが多々あり感心もする。


 先般、初時雨ののち彼が来日、「有朋自遠方来、不亦楽乎」と一席を設けた。話題は経済から政治へと、相変わらず強かに論陣を張っていた。当然のように「アングロ・サクソン論」、「日本論」になったが、昔の話を思い出したのか、突然静かになり、自信満々、にやりと笑って私の方を見て言った。
「歴史は繰り返すから、心配ないよ」と。
 次回、私は彼ほどうまく言えるだろうか。


<本内容は、2000.01.17発行の鉄鋼新聞に寄稿し、「談論」コーナーに掲載されたものです。発表時より、改行、句読点等、一部改変致しております。>

2008年06月24日 11:04 笑いの真意(PART I)


 ふと気づくといれたばかりの紅茶が冷めていた。「おやっ」と思い、窓外に目をやれば時雨れてきたようだ。「紅茶」「時雨」とくれば英国の冬、そこには何よりも「暖炉」がよく似合う。そして、この「連想」は、時の流れに逆らって、忘れ得ぬ出会いに辿り着いた。


 時は1985年。所はロンドン市内サセックス公園に面したIWCC(国際銅加工業者協議会)本部。当時、私はこの地に着任し、IWCCの日本の窓口として活動を開始したばかり。その協議会の専務理事サイモン・ペイトン氏との出会いが、以後7年間の在英生活をより充実させ、アングロ・サクソン文化を深く考えさせられる機会となった。
 その時期は、まさに”Japan as No. 1”にあたり、日の出の勢いで日本的経営哲学が欧米を席捲し、日本文化に基づいた経営手法は今で言う「ディファクト・スタンダード」になりかけた時代でもあった。
 彼は、名門セント・アンドリュース大の卒業生で、1984年に金属加工業界の論客としてIWCCに迎えられた逸材。世界組織の役員として、極東の経済大国日本の文化に関心と理解を深める必要もあり、お互いの望みが一致。同世代の気安さもあって、仕事を終えた後に本部に集まり、同好の士と共に文化論に花を咲かせたものだ。


<本内容は、2000.01.17発行の鉄鋼新聞に寄稿し、「談論」コーナーに掲載されたものです。発表時より、改行、句読点等、一部改変致しております。>

2008年06月19日 10:02 IWCC サイモン・ペイトン氏の思い出(2) ~機中にて~


 サイモン・ペイトン氏と私はほぼ同世代です。
 彼は、IWCC(国際銅加工業者協議会)の事務局長として、バーミンガムよりロンドンに上京し、1984年から2008年の長きに亘り、応々にして会員相互のまとまりがつかない国際団体を、秀れた調整能力と見識の高さを駆使して、実質的にはCEOとして取り仕切ってくれました。
 彼には、英国紳士の特徴であるユーモアが兼ね備えられていることもあり、会員から、サイモン、サイモンと重宝がられ、慕われていました。


キングズイングリッシュを聞きながら 私は、1985年から1992年までロンドンに現地責任者として駐在していましたので、公私ともによく付き合うこととなりました。
 彼は、スコットランド最古の名門大学、セントアンドリュース大学卒であり、一種のエリート意識から醸し出される雰囲気により、一見スノビッシュと感ずることもありましたが、英国人らしく、付き合い始めると味があり、教えられるところも色々ありました。正統キングズイングリッシュ(今ですとクィーンズイングリッシュの表現がふさわしいかも知れませんが)をしゃべってくれるので、聞き取り易い英語で私も随分助かりました。
 本当に長い付き合いですので、彼に関するトピックスを取り上げていくと、きりがありません。
 そろそろ、この機中でIRの準備もしないといけないなあと思い始めたところで、以前請われて、彼に関して一文を書いたことを思い出しました。
 幸いに、原稿が残っていたようですので、2000年に鉄鋼新聞に「笑いの真意」と名付けて寄稿した拙文を、次回からこのブログに転載致しましょう。
 読者の皆さんが、我々の交誼をご覧になって、何らかのお役にたてば幸甚です。

2008年06月16日 09:39 IWCC サイモン・ペイトン氏の思い出(1) ~機中にて~


 6月3日に成田を発ち、シカゴ経由ボストンに向かう飛行機の中で、この原稿を書いています。
 米国の複数の大口投資家へ、当社の現状と将来の姿を、私から直接、定性的・定量的に説明し、Q&Aもしっかりと行って、納得頂いて株を保有又買い増して頂くための会議を年一回開催しています。
 これはIR(Investor Relations)の重要な活動の一つであり、株主資本主義の社会においては、大変重要な社長の仕事のひとつであることは、以前にも再々このブログで申し上げました。欧州・東南アジア等にも、同様に定期的に出張して説明会を開いています。
 日頃、日本におりますと、様々な仕事が次から次へと入り込んできますので、IR室から事前に手渡された分厚い資料には十分に目を通す時間が無く、ざっと一読しただけです。時間がたっぷりあり、しかも誰にも邪魔をされない飛行機の中で丹念にチェックし、どのように説明するか、そのストーリーを練り上げて行くのです。


 さて、窓外は真っ暗でザーザーというジェット音しか聞こえてきません。周囲の乗客の方々も静かに過ごしているようです。時々いびきが聞こえてきたりします。
 ここまで書いてきて、ふとこんなことを思い始めました。


ドナウの船旅を満喫中 「そうそう、先日のIWCC国際会議出席時のウィーンのドナウ川エクスカーションプログラムの船旅の報告をすることになっていたな」
「日が経つと印象も薄れてくるし、どうしようかな」
「内容は違うが、IWCCの専務理事を1984年から2008年まで勤めた旧友のサイモン・ペイトン氏のことを紹介するのもいいかな」
「幸いドナウ船旅時に、雲ひとつない青空のもと緑したたるヴァッハウ峡谷を二人で満喫している写真もあるし」


 ということで、典型的イギリス人紳士(?)サイモン・ペイトン氏を紹介してみたいと思います。

住友電気工業(株)社長 松本正義

1944年生まれ、兵庫県出身。
1967年住友電工入社。中部支社長、常務取締役、専務取締役を経て2004年6月社長就任。
趣味はジョギング、読書、絵画鑑賞など。中学時代は野球、高校では柔道、大学では陸上競技のやり投げ選手としてインターカレッジ出場経験もある。

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