環境負荷物質対応

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持続的経済発展のためには、地球環境に配慮した製品開発、提供が不可欠です。
このため、当社ではISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを運用し、RoHS指令やELV指令などの環境規制や、顧客要求に基づき、環境負荷物質の製品への含有の削減、禁止に積極的に取り組んでいます。

弊社電線については、2015年1月1日以降の製造分については、4種フタル酸エステルが追加された次期RoHS2指令に適合しています。

問い合わせ先
東京 住友電工 電子・情報機器営業部 TEL:03-6406-2718
名古屋 住友電工 移動体エレクトロニクス営業部 TEL:052-589-3851
大阪 住友電工 エレクトロニクス材料営業部 TEL:06-6220-4480
1. RoHS指令とは

「RoHS 指令」は電子・電気機器に使用される危険物質に関する制限(Restriction of Hazardous Substances)のため欧州連合(EU)により2003年2月に公布されました。
この指令に基づき、2006年7月1日以降は、EU加盟国内において、RoHS指令の禁止物質の含まれる電子・電気機器を上市することはできなくなりました。

2. ELV指令とは

「ELV 指令」は、使用済み自動車(End of Life Vehicles)が及ぼす環境への影響を軽減することを目的として、EU(欧州連合)により2000年5月に成立、2000年10月21日に公布されました。
この指令は自動車に使用される部品のリサイクルを促進し、部品に使われる有害物質の含有規制を行うものです。
自動車メーカーは2003年7月1日以降に販売されている新車について、当該規制を遵守することが義務化されております。

3. 含有禁止物質の最大許容値

ELV指令の含有禁止物質は、鉛、カドミウム、六価クロム、水銀の4 物質です。
RoHS指令では上記4 物質に加え、特定臭素系難燃剤および4種フタル酸エステルが加わります。
用途によっては除外となるものもありますが、電線では意図的な使用に加えて、基準値以上の混入も禁止されています。
含有禁止物質に対してRoHS指令およびELV指令が求める規制数値基準は下表のとおりです
(2016 年1 月現在)

物質名

最大許容値 ppm

RoHS指令

ELV指令

鉛 (Pb)

1,000

1,000

水銀 (Hg)

1,000

1,000

カドミウム (Cd)

100

100

六価クロム (Cr6+)

1,000

1,000

ポリ臭化ビフェニル (PBB)

1,000

ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE)

1,000

フタル酸エステル(2019年7月より)

1,000

注1)

最大許容値は均質材料(機械的に異なる材料に分解できない材料)あたりの値。

■補足:有害物質の測定方法について
ELV指令、RoHS指令(PBB、PBDEといった特定臭素系物質を規制に含む)での規制物質の実測評価には、次の代表的な方法があります。

項目

エネルギー分散型
蛍光X線分析

プラズマ発光
分光分析(ICP)

ジフェニルカルバジド
吸光光度分析

ガスクロマトグラフ
質量分析

分析対象

Cd, Pb, Hg, 総Cr, 総Br
Cd, Pb, Hg, total Cr,
total Br

Cd, Pb, Hg

Cr6+

PBB, PBDE,
フタル酸エステル

検出限界

50 ppm

10 ppm

2 ppm

PBB,PBDE:5 ppm
フタル酸エステル:30 ppm

用途

定性スクリーニング分析

定量精密分析

備考

非破壊検査が可能
簡便、前処理不要

前処理が必要
時間がかかる

前処理が必要
時間がかかる

ソックスレー管での
抽出時間がかかる

蛍光X 線分析は、検査所要時間が短く、非破壊での検査も可能であるため、定性分析ではあるものの、一定の基準値を決めてスクリーニングとして広く日常的に運用されております。このスクリーニング分析で仮に一定基準を超過した場合は、各種の定量分析を行うことになります。
なお蛍光X 線分析では、下記の制約があります。

(1)

総クロムとしては検出できるが、六価クロム(Cr6+)含有を個別に検出できない。このため一般的には総クロムの検出値が基準値を超過しないことを確認することになる。

(2)

臭素系物質(RoHS 規制対象のPBB、PBDEでなくても)を含有する物質では、臭素(Br)の検出波形が他環境負荷物質の波形を覆い隠す場合もあるため、他の定量分析方法を必要とすることがある。

4. REACH規則とは

REACH規則とはRegistration, Evaluation, and Authorization of Chemicalsの略で、化学物資の登録および評価と認可のことです。
これはEUでの新しい化学物質規制であり2007年6月1日から施行されています。EU域内で化学物質を年間1t以上製造または輸入する場合は化学物質を登録することが義務付けられており、安全性に関する評価が必要となります。また、EUが定める有害物質(高懸念物質:SVHC)を製品中に重量比0.1%以上含む場合、2009年6月以降、物質名の公開の義務が生じます。さらに含有量が年間1トン以上の場合には届け出の義務が生じます。初回のSVHC候補リストは2008年10月に発行されその後、2010年1月以降は、概ね半年毎に物質の追加が行われています。

5. お問い合わせの多い化学物質について

(1)

フタル酸エステル
2015年6月には、4種類のフタル酸エステル(DEHP、BBP、DBP、DIBP)がRoHS指令対象物質に追加されました(規制開始は2019年7月22日)。2015年1月1日生産分以降の弊社電線は次期RoHS指令に適合しております。

(2)

PFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)
DIRECTIVE 2006/122/ECより2008年6月27日以降、指定含有量を超えるPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)およびその類縁化合物を含む製品のEU域内への上市が禁止されました。PFOS は撥水剤などの用途に使用されていましたが、高い難分解性、高蓄積性があり、有毒性も疑われています。電子ワイヤー製品にはPFOSおよび類縁化合物の使用はございませんので、安心してお使い頂けます。

(3)

特定ベンゾトリアゾール
2007年11月10日に2-(2H-1,2,3- ベンゾトリアゾール-2- イル)-4,6- ジ-tert- ブチルフェノール(特定ベンゾトリアゾール)が化審法の第一種特定化学物質( 実質的に製造・輸入が禁止される物質) に指定されました。この物質は紫外線吸収剤として樹脂に添加されていましたが、電子ワイヤー製品には特定ベンゾトリアゾールの使用はございませんので、安心してお使い頂けます。

(4)

フマル酸ジメチル(DMF)
DIRECTIVE 2009/251/ECにより2009年5月1日以降、フマル酸ジメチルを含む製品のEU域内への上市が禁止されました。フマル酸ジメチルは防カビ剤として、家具などの中に小袋に入れて使用されているものですが、人体に触れるとアレルギー反応を起こすことが問題となり、禁止されました。電子ワイヤー製品にはフマル酸ジメチルを含む製品および梱包仕様はございませんので、安心してお使い頂けます。

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