AIを活用した太陽光発電所のPLCストリング監視システム用データ蓄積・解析装置

〜長期的に安定した発電所運営をサポート〜

広域で多くのパネルが稼働する太陽光発電所では異常個所を検知することが難しい。
広域で多くのパネルが稼働する太陽光発電所では異常個所を検知することが難しい。
広域で多くのパネルが稼働する太陽光発電所では異常個所を検知することが難しい。

世界のエネルギー需要は急速に増えており、環境へ配慮した持続可能な社会の実現に向け、太陽光や風力など、再生可能エネルギーへの関心が高まっています。特に導入が進んでいる太陽光発電は、設置後20年以上稼働しますが、長期に安定した発電量を維持するには、問題発生を即座に検知・対応することが非常に重要で、一般的には、異常を検知するための「監視システム」が導入されています。

これまでの監視システムは、閾値(しきいち)*1判定が主であり、例えば発電量が一定値を下回ると異常と判断し、太陽光発電の管理者に通知される仕組みとなっています。しかし、発電量は、季節、時間帯、設置地域のほか、発電所の周囲環境などさまざまな要因に依存するため、閾値判定による異常判断は信用性に乏しく、異常判定の結果を基に、人間による分析・判断が必要な運用がほとんどでした。

そのような背景から、当社は計測したストリング電力値を、AI*2を用いて異常判定し、その異常原因を緊急度別に通知する、ストリング監視システムを開発しました。発電低下を捉えた際に、その原因(ヒューズやブレーカなどの異常か、木や草の影か、太陽光パネル自身の劣化か等)を特定し、さらにその異常を即時または日次のようにレベル分けして通知します。異常判定は太陽光発電の最小単位であるストリングごとに行い、さらに発電所の全体地図上に異常個所を緊急度別に色で表示するため、視覚的に異常個所の把握と、現場作業者への容易な指示が可能になります。

当社の監視システムは、既設の電力線を通信回線として利用するPLC*3技術を採用するため、監視システムを導入する際に追加の通信線の布設工事を必要とせず、稼働済の既存発電所へも容易に導入可能です。今回開発した異常判定検出・通知装置の活用によって、発電に関わる異常に対して早期対応が可能になることから、太陽光発電所の運用管理コストの低減と発電量の最大化に貢献します。

*1 閾値:境界となる値
*2 AI:人工知能 (Artificial Intelligence) 
*3 Power Line Communication:電力線通信

日次の発電レポート例

発電レポートにおける異常個所の表示例

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