住友電工の1枚──あの日、あの時

1961 鳴門海峡横断送電線工事

世界でも初めての奇抜な工事

1961年6月6日、のちにアメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界的に話題となった送電線工事が行われた。兵庫県淡路島と徳島県をつなぐ「鳴門海峡横断送電線工事」である。送電線を約1,700mの海峡を挟んだ対岸まで敷設するために「気球」が使用された。

工事はまず、淡路島の門崎の鉄塔下から、直径9mmのメッセンジャワイヤ(重量約500kg)に、直径2.7mの気球を20m間隔に取り付け、引き船で牽引し、ワイヤを空中に浮かしながら延線したのである。赤、黄、ピンク、計77 個の気球がメッセンジャワイヤを吊り下げる様子は、鳴門海峡の空に花が咲いたようであり、二時間後には四国側に到着、その後の工事も含め無事に成功した。

「新製品や新設備を生み出した1961年は当社の歴史の上で一時代を画すべき年でありました」と当時の住友電工社長・北川一榮は後年に述べましたが、世界から注目を集めたこのユニークな工事の成功も画期的な出来事の一つであった。