2.本システムを構成する機器・装置等について
(1)レドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)
レドックスフロー電池は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。
充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。
(2)CPV(合計 28 基、最大発電量 200kW)
CPV は、発電素子にレンズ等で集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約 2 倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。
今回使用する CPV は、マイクロスマートグリッド実証システムの 7.5 倍の出力(7.5kW/基)であり、一層のパネルの薄型化・軽量化を実現しています。
(3)エネルギーマネジメントシステム(EMS)
EMS は本システムにおいて CPV28 基の発電量を監視するほか、商用電力系統、CPV、レドックスフロー電池、事務所・工場間の電力フローを監視する役割を担います。必要な情報は光通信ネットワークによって収集され EMS サーバに集中管理され、今後、実証試験を予定している所内ピークカット運用やデマンドスケジュール運転にも対応予定です。
以上
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