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プレスリリース 2012年

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横浜製作所における大規模(メガワット級)蓄発電システムの実証運転について

2012年4月17日
住友電気工業株式会社

 当社は、世界最大規模のレドックスフロー電池と、国内最大規模の集光型太陽光発電装置等から構成されるメガワット級蓄発電システムを開発し、このほど当社横浜製作所(横浜市栄区田谷町 1)において、実証システムの建設に着手し、本年 7 月より運転を開始する予定です。

 当社では、昨今のエネルギーを取り巻く状況に鑑み、再生可能エネルギーの活用による分散型の電力システムへの期待がますます高まるものと考え、これらに関する電力変換・制御技術、発電・蓄電技術などの研究開発を進めています。

 昨年 6 月からは、当社大阪製作所において、自社開発の集光型太陽光発電装置(CPV)を含む複数の自然エネルギー発電装置と小型レドックスフロー電池(蓄電池)等を直流電力ケーブルで連結したマイクロスマートグリッドシステムの実証試験を実施しています。本システムは、エネルギーマネジメントシステム(EMS)によって、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーと、照明や家電製品など比較的小規模な電力負荷を管理し、特に一般消費者の視点側から、安定的且つ効率的な電力制御を実現するものです。

 

  一方、工場や企業などの大規模需要家における再生可能エネルギーの積極的な活用や省エネルギーに対する社会的要請も増しています。こうした大規模電力システムにおける機器やシステムの開発、製品化を加速するべく、メガワット級の容量、出力を有する、レドックスフロー電池、CPV を組み合わせた大規模蓄発電システムを開発し、横浜製作所で実証運転を行うこととしました。

 

1.メガワット級蓄発電システムの概要

 

 本システムは、再生可能エネルギー源としての合計 28 基の CPV(最大発電量 200kW)と夜間電力や CPV 発電電力を貯蔵するためのレドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)から構成され、外部の商用電力系統とも連系します。後述のエネルギーマネジメントシステムによる、①レドックスフロー電池の充放電制御による工場の受電量の一定化、②天候に左右される CPV 発電量をレドックスフロー電池で補う ことによる太陽光発電の計画運用等について検証を進めていきます。

 

また一般的な蓄電池の機能として、横浜製作所におけるピークカット運用(最大 1MW のデマンド抑制)や予め設定したデマンドスケジュールとなるよう、電力負荷に応じた放電量の調整も行う予定です。

 

 

メガワット級蓄発電システム

 

2.本システムを構成する機器・装置等について

 

(1)レドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)

 レドックスフロー電池は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。

 充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。

 

(2)CPV(合計 28 基、最大発電量 200kW)

 CPV は、発電素子にレンズ等で集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約 2 倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。

 今回使用する CPV は、マイクロスマートグリッド実証システムの 7.5 倍の出力(7.5kW/基)であり、一層のパネルの薄型化・軽量化を実現しています。

 

(3)エネルギーマネジメントシステム(EMS)

 EMS は本システムにおいて CPV28 基の発電量を監視するほか、商用電力系統、CPV、レドックスフロー電池、事務所・工場間の電力フローを監視する役割を担います。必要な情報は光通信ネットワークによって収集され EMS サーバに集中管理され、今後、実証試験を予定している所内ピークカット運用やデマンドスケジュール運転にも対応予定です。

 

以上

 

 

完成予想図

 

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