太陽光発電や風力発電に代表される不安定な再生可能エネルギーの導入に対し、レドックスフロー電池を駆使することで電力の安定化を実現すると共に、電力不足の問題の軽減に貢献します。
また、レドックスフロー電池とCPVに既設のガスエンジン発電機を組み合わせて、横浜製作所全体の電気エネルギーの最適運転を行うFEMS(ファクトリーエネルギーマネージメントシステム)の実証も開始します。本実証は、経済産業省「平成24年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」として、「横浜スマートシティプロジェクト」の中で株式会社明電舎と共同で行います。FEMS実証は、本プロジェクトでは初めてのことです。
今後、再生可能エネルギーの導入やエネルギーの効率的運用を一層促進すべく、特に工場や商業施設などの大規模需要家でのニーズに合わせて、本システムの実用化を進めてまいります。また、本実証運転と並行して、事業化に向けた更なる低コスト化等を推し進め、2013年度中には事業を開始する計画です。
以上
(注1) 実証運転開始時点では、CPV15基、最大発電量約100kW。本年度末にCPV28基、最大発電量200kWとなる予定。
【補足資料】
1.実証運転の概念図
2.本システムを構成する機器・装置等について
(1)レドックスフロー電池(容量1MW×5時間)
レドックスフロー電池は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。
充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。
(2)CPV(合計28基、最大発電量200kW)
CPVは、発電素子にレンズ等で集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約2倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。
(3)エネルギーマネジメントシステム(EMS)
EMSは本システムにおいてCPV28基の発電量を監視するほか、商用電力系統、CPV、レドックスフロー電池、事務所・工場間の電力フローを監視する役割を担います。必要な情報は光通信ネットワークによって収集されEMSサーバに集中管理されます。更に、今後、既設のガスエンジンとレドックスフロー電池、CPVを組み合わせて所内ピークカット運用やデマンドスケジュール運転にも対応し、省エネだけではなく横浜製作所の電気エネルギーの最適制御ができるFEMSを実証していく予定です。
3.竣工したメガワット級蓄発電実証システム
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