「Compovision」は、当社の化合半導体および光通信技術を駆使して開発した近赤外カメラ*1を活用したイメージング装置です。2010年8月に発売以来、ブリスタ-パック工程*2での異種錠剤混入検査や、食品の品質検査等での活用提案を行っており、さらに幅広い分野での適用を検討しております。
本年4月からは、関西学院大学 理工学部 尾崎幸洋教授と、「Compovision」近赤外カメラが得たスペクトル*3と関西学院大学の持つ解析技術を組み合わせ、生産ラインでの錠剤コート表面の検査技術および、有機高分子材料*4の一つであるポリ乳酸*5の結晶性やポリマーのブレンド比率検査について共同研究を開始しました。
錠剤表面のコート検査は、従来は生産工程上での検査が困難でした。本検査技術の実用化により、生産工程上(その場)で迅速に錠剤のコート異常の検知が可能となり、また、周辺錠剤の破棄も不要となるので、生産効率の向上やコスト低減に寄与するものと期待しています。さらに、全数検査も可能となり、製品の安全性の確保にも貢献できるものと考えています。
高分子材料検査では、バイオプラスチックとして注目されているポリ乳酸の重要なパラメーターである結晶性と、ブレンドポリマーのブレンド比率計測に成功しました。
今回の成果について、関西学院大学 尾崎幸洋教授は「Compovisionは、住友電気工業株式会社が持つ幅広い分野の技術を結集した全く新しいタイプの近赤外カメラである。本装置は、広帯域、高速という点では他の近赤外カメラの追従を許さないだろう。また非常に使いやすく、今後ポリマー、錠剤のみならず有機材料や食品など幅広い分野に大いに使われるだろう。」と、述べています。
本成果は、米国・カンザスシティーで、9月30日(日)から10月5日(金)に開催される国際学会「FACSS2012(SCIX2012)」で、関西学院大学 石川大太郎博士より発表されます。
また、当社では、10月9日(火)から10月11日(木)にスペイン・マドリードで開催される製薬業界関連合同展示会「CPhI/iCSe/P-mec/InnoPack」のP-mec (http://www.p-mec.com/) にて、「Compovision」近赤外カメラを動態展示します。ブリスターパック越しの錠剤検査やカプセル内部の判別、粉体の混合状態などを紹介するほか、本成果についてもポスター展示する予定です。ぜひ当社ブースへお立寄り下さい。
以上
・Compovisionは、住友電気工業株式会社の登録商標です。
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