通信環境が整っている国内では、インターネット回線でもテレビ会議を安定して実施できますが、アジアなどの海外拠点との接続では、インターネット回線が不安定なため、音声遅延や音声途切れ、映像の乱れなどが発生し、快適なコミュニケーションが困難でした。そのため、海外拠点との接続では、回線品質が保証されているISDN回線や専用線を利用することが一般的です。しかし、ISDN回線は回線速度が遅く、従量課金制であり、また専用線は通信費用が高額と、海外拠点とテレビ会議を行う際の大きな障壁となっていました。
当社は、こうした課題を解決するために、当社独自の通信制御・画像補正技術 Adaptive LRR Technology により、回線品質が不安定なインターネット回線でも、音声や映像の遅延や乱れを抑え、安定したテレビ会議を実施できる、ストレスフリーなテレビ会議システム「TVcation」を開発しました。
「TVcation」は、Windows OSで動作するソフトウエアで、市販のパソコンやカメラ等でシステムを構成することにより、初期導入費を抑えて、多人数が参加するような本格的なテレビ会議を行うことができます。また、タブレットPCなどのモバイル端末で利用し、工場の設備やライン、部品などを映しながら、遠隔からの設備メンテナンスや不良品の確認などを行うことも可能です。
2009年から住友電工グループ内にて「TVcation」の利用を開始しており、現在、中国、ベトナム、フィリピン、アメリカなどの国内外で約100台を設置し、全てインターネット回線で利用しています。
「TVcation」は、初年度1,200ライセンスの販売を見込んでいます。
【TVcationの特長】
- 独自の通信・画像補正技術により飛躍的にパケットロス耐性を高め、回線品質が保証されていないインターネット回線でテレビ会議が可能
- 市販のパソコン、カメラ等でシステムを構成することで初期導入費を抑えることが可能
- 多人数が参加するような本格的なテレビ会議が可能
- タブレットPCなどのモバイル端末で利用し、遠隔の設備メンテナンスや品質検査等に使用することが可能
以上
* Adaptive LRR (Adaptive Loss Reduction & Recovery) Technology [特許出願済み]
海外とのインターネット接続等、不安定な回線でも安定してテレビ会議を実現するための、当社独自の通信制御・画像補正技術です。Adaptive LRR Technologyでは、回線速度の自動検出、回線速度の監視と追従、回線速度に応じた品質の自動制御を、接続ノードごとにダイナミックに実施します。また、コミュニケーションで最も重要な音声に重点を置き、通信品質が悪い場合に、音声の途切れを防止するための音声優先制御や、映像の乱れを低減するための独自のリカバリ制御をおこなうことにより、通信パケットのロス耐性の飛躍的な向上を実現しています。
- 「TVcation」は、住友電気工業株式会社の登録商標です。
- Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における 登録商標です。