金属製のねじは、大量生産用の転造加工※による製造のほかに、切削工具によるねじ切り加工で製造されているものも多くあり、一般産業用機械からパイプ、航空宇宙部品の加工まで幅広い分野で、ねじ切り用旋削工具が使用されています。
ねじ切りは、切削加工の中で特殊な加工法であり、①ねじ山頂点にバリが生成するなど加工品位が悪化しやすい、②幅が広く、カールが不安定な切りくずが生成し、被削材や工具、工作機械に絡みつきやすい等の特有の問題があります。また、ねじの規格毎にねじ山形状が異なるため、工具も多種のラインアップが必要となります。
「SEC‐ねじ切りバイト SSTE / SSTI型」は、上記の問題を解決しながら、これまで以上に高品位な加工を実現します。また幅広いラインアップにより、多種多様なねじ種の加工に対応します。
1.特長
- (1)シャープな切刃で、ねじの加工品位を向上
- 刃先に近い逃げ面の研磨仕上げと、大きなすくい角を有するブレーカ形状の効果で、M級チップながら、フル研磨級チップ並みの優れた切れ味を実現。高い経済性と、ねじ山頂部のバリやフランク面のむしれが非常に少ない、高品位なねじ加工を両立します。
- (2)チップブレーカによる優れた切りくず処理性
- 突起状の3次元モールドブレーカを採用しており、特に「修正フランクインフィード加工(※)」を適用することで、安定した切りくず処理を実現。また刃先損傷の大幅な抑制も可能で、更なる長寿命化を実現します。
- (3)110種類のチップラインアップで、様々なねじ種に対応
- 刃先交換チップは、さらい刃のない汎用タイプから、メートルねじ、ユニファイねじ、管用テーパねじなど、各種のねじ規格・ピッチに対応したさらい刃付タイプまで、110種をラインアップ。一般産業用機械から航空宇宙機器まで、幅広い分野のねじ加工に適用できます。
* 転造加工:
強い力を加えて素材を変形させる塑性加工の一つで、棒状の加工素材を回転させながら、転造ダイスと呼ばれる工具により成形する方法。
* 修正フランクインフィード加工:
主に片側の切刃を使用するねじ切削加工法の一種。
2.ラインアップ
(ホルダ)
外径加工用 |
SSTE型 3アイテム |
内径加工用 |
SSTI型 5アイテム |
(チップ)
さらい刃付 |
ISOメートルねじ、ユニファイねじ、ウィットワースねじ、管用テーパねじ、NPTねじ、NPTFねじ、UNJねじ用 |
さらい刃なし |
汎用60°ねじ用、汎用55°ねじ用 |
材種 |
AC530U |
外径用 |
60アイテム |
内径用 |
50アイテム |
3.販売計画
初年度:0.4億円
3 年後:1.2億円
4.価格
(ホルダ)
SSTER2525M16
(外径用25角シャンク) |
18,000円 (税込18,900円) |
(チップ)
16ER150ISO-CB
(ISOメートルねじ・ピッチ1.5mm用) |
1,820円(税込1,911円) |
以上