■技術者に聞きました
開発を始めたきっかけを教えてください。
住友電工は世界で初めて1カラット前後のダイヤモンド単結晶の量産を実現しましたが、不純物の影響で黄色く、大きさは5㎜以下でした。もっと大型で、できれば無色透明の高純度結晶を作って、適用範囲を広げ、産業技術の発展に寄与したいと思い、合成技術の大きなステップアップに挑戦しました。そして、15年間、大型化、次いで高純度化、そして結晶性向上の技術開発に心血を注いできました。現在では、天然ダイヤモンドをはるかに超える品質の、1㎝を超えるダイヤモンド結晶ができています。
開発のウラ話や苦労話を教えてください。
5㎜程度の1カラットの黄色い結晶を、1㎝(8カラット)を超える無色透明の高純度結晶にするまで、実に15年の歳月がかかりました。一つの課題をクリアすると他の問題点が出てくる。まるでモグラたたきのように一つひとつ手を打っては次の問題の解決に当たるという取り組みを重ねました。
入社した頃は、こんなに大型で良質のダイヤモンドができるとは夢にも思っていませんでしたが、情熱と信念を持ってたゆまず技術開発を続ければ、不可能と思われていたこともいずれ実現できることを身をもって実感しました。 |