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広報誌 SEI WORLD 2012年

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SEI WORLD 2012年 06月号(vol. 417)

照射製品「スミチューブ」、「イラックススリーブ」

当社は、電子線照射技術を用いた新素材・新製品の開発を昭和30年代半ばに開始、現在は住友電工ファインポリマー(株)で照射製品「スミチューブ」、「イラックススリーブ」を製造しています。

照射製品「スミチューブ」、「イラックススリーブ」

■製品データ
生産開始 1964年
生産拠点 日本(大阪)、アメリカ、ドイツ、中国、台湾

「照射」ってなに?

  一般的に、プラスチックに電子線(高電圧を用いて真空中で加速した電子)を当てると、架橋(プラスチックの分子間に新たな結合ができる)という反応が起こり、耐熱性の向上、形状の記憶、耐油・耐薬品性の改善といった特性が得られます。

  当社では、1964年に我が国で最初の工業用電子線発生装置を設置して以来、プラスチックの電子線照射技術を基盤にした商品開発、製品化に取り組んできました。

どんなところで使われている?

  「スミチューブ」は、電子線照射によるプラスチックの形状記憶効果を応用した熱収縮チューブ(加熱により、径方向に収縮するチューブ)で、家電・電子機器、自動車、航空機などの分野で、電線・ハーネスの結束保護、絶縁保護などに使われています。

  「イラックススリーブ」は寸法の大きな熱収縮チューブで、屋外の各種ケーブル・パイプの防食保護用などに使用されることが多く、高い耐候性と防水性を有しています。

■技術者に聞きました

住友電工ファインポリマー(株)照射製品技術部  江本 安隆

住友電工ファインポリマー(株)製造部  塩﨑 稔之

どういった点がお客様に喜ばれていますか?

  お客様のご要望に迅速に対応できる豊富な製品ラインナップや、迅速な開発対応が行える体制が、照射製品の大きな魅力と感じて頂いていると考えます。身近な例では家庭用配線がネズミにかじられて断線するというお客様には、ネズミが嫌う成分を含有させたユニークなチューブも開発してきました。最近では、自動車や航空機分野での採用増加に伴い要求レベルもさらに高度になってきましたが、これまで培った様々な特徴を生かして、さらに新規用途、新規分野を開発していきます。

最近の開発品を教えてください。

  自動車のハーネスジョイント部分の防水保護用途として、接着材付き二重チューブを開発するとともに、そのチューブを収縮加工するベルト搬送式の熱収縮加工機(スミシュリンカー)を開発、販売しました。お客様に熱収縮加工をお任せするだけでなく、ハーネスに使用される電線の組み合わせに応じた収縮チューブと収縮条件含めて提案・サポートしていく体制を構築しました。

照射製品を製造する上で難しいことは何ですか?

  「スミチューブ」「イラックススリーブ」は主要3工程(押出・照射・膨張)で製造していますが、その中でも膨張工程が特徴的です。膨張工程では押出成型したチューブを電子線照射して架橋した後に径方向に膨張(拡径)させますが、長物チューブを連続的に既定の製品寸法まで安定して膨らませるのは、数百メートルの細長い風船を端から膨らませて制御する様な工程で非常に難しく、種々の製造パラメーターの管理が必要でその設備・方法には様々なノウハウが詰め込まれています。

・「スミチューブ」「イラックス」「スミシュリンカー」は、住友電気工業(株)の登録商標です。

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