社会を変える大規模蓄発電システム
今回のシステムは、集合住宅レベルから一定規模の町レベルの電力量までを想定し構成しました。今後、再生可能エネルギーの導入やエネルギーの効率的運用を一層促進すべく、特に工場や商業施設などの大規模需要家でのニーズに合わせて、本システムの実用化を進めてまいります。また、本実証運転と並行して、事業化に向けた更なる低コスト化などを推し進め、2013年度中には事業を開始する計画です。
■レドックスフロー電池(容量1MW×5時間)
レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。
充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。
■CPV(合計28基、最大発電出力200kW※)
CPVは、発電素子にレンズなどで集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約2倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。
|