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広報誌 SEI WORLD 2012年

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SEI WORLD 2012年 09月号(vol. 420)

メガワット級大規模蓄発電システム

大阪製作所で昨年6月に開始した「マイクロスマートグリッドシステム」の実証運転をパワーアップさせ、本年7月より、横浜製作所において世界最大規模のレドックスフロー電池と国内最大規模の集光型太陽光発電装置(CPV)などから構成される「メガワット級大規模蓄発電システム」の実証運転を開始しました。

メガワット級大規模蓄発電システムの構成

 

開発の背景

・再生可能エネルギーの導入量の増大 ⇒⇒⇒ 不規則発電の安定化技術、計画発電
・喫緊の電力不足問題に対する対策 ⇒⇒⇒ 系統供給電力のピークカット効果
・事業所レベルから街レベルでの分散型電力のニーズ増 ⇒⇒⇒ 分散電力の制御
・非常時への対応 ⇒⇒⇒ 電力バックアップ体制の構築

 

社会を変える大規模蓄発電システム

  今回のシステムは、集合住宅レベルから一定規模の町レベルの電力量までを想定し構成しました。今後、再生可能エネルギーの導入やエネルギーの効率的運用を一層促進すべく、特に工場や商業施設などの大規模需要家でのニーズに合わせて、本システムの実用化を進めてまいります。また、本実証運転と並行して、事業化に向けた更なる低コスト化などを推し進め、2013年度中には事業を開始する計画です。

■レドックスフロー電池(容量1MW×5時間)

  レドックスフロー電池は、バナジウムなどのイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。

  充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。

■CPV(合計28基、最大発電出力200kW

  CPVは、発電素子にレンズなどで集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約2倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。

 

CPV

 

 
 

実証運転開始時点では、CPV15基、最大発電出力約100kW。本年度末にCPV28基、最大発電出力200kWとなる予定。

 
■エネルギーマネジメントシステム(EMS)

  EMSは本システムにおいてCPV28基の発電量を監視するほか、商用電力系統、CPV、レドックスフロー電池、事務所・工場間の電力フローを監視する役割を担います。必要な情報は光通信ネットワークによって収集されEMSサーバに集中管理されます。

 

  経済産業省「平成24年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」の「横浜スマートシティプロジェクト」の中で、(株)明電舎とともに、FEMS(ファクトリーエネルギーマネージメントシステム)の実証を2013年4月より開始する予定です。

  現在は、CPV、レドックスフロー電池の蓄発電量のみを監視していますが、今後、既設のガスエンジン、工場の負荷なども監視できるようにし、レドックスフロー電池、CPVを組み合わせて、横浜製作所の電気エネルギーの最適運転を行います。

 
■「メガワット級大規模蓄発電システム実証設備」の竣工式を開催

実証設備竣工式の様子

  7月24日に、実証設備の竣工式を行いました。

  竣工式には、中根康浩 経済産業大臣政務官をはじめ多数の皆さまにご臨席頂きました。

 

 

 
 
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