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広報誌 SEI WORLD 2012年

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SEI WORLD 2012年 09月号(vol. 420)

化合物半導体

1956年に研究テーマとして取り上げた化合物半導体は、その後、研究室が解散するなどの苦難の時期がありましたが、地道な研究、努力を積み重ね、1970年に開発室が発足。種付け技術など重要技術の開発を加速し、現在の化合物半導体事業の基礎を固めました。2003年には、長年培った化合物半導体の開発・製造ノウハウをベースに、窒化ガリウム基板の開発に成功し、世界で初めて量産を開始しました。

化合物半導体

■製品データ
生産開始 1970年
生産拠点 アメリカ、中国、台湾、
日本(伊丹市、神戸市)

化合物半導体ってなに?

単元素の半導体と化合物半導体

  電気を通し易い銅やアルミニウムなどの「導体」と、ゴムやガラスなどの「絶縁体」の中間にあって、条件次第で導体にも絶縁体にもなり得る物質を「半導体」と言います。地球上にある92種類の元素のうち、半導体として働けるものはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)などの数種類しかありません。

  ひとつの元素を材料にしているものに対し、複数の元素を材料にしている半導体のことを特に「化合物半導体」と言います。代表的なものにはガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、インジウムリン(InP)、セレン化亜鉛(ZnSe)、炭化ケイ素(SiC)などがあります。

どんなところに使われているの?

  化合物半導体は、代表的な半導体であるSiよりも電子の移動速度がはるかに速いため高速信号処理に優れ、低電圧で動作したり、光に反応したり、マイクロ波を出したりします。

  また、受発光機能が優れている、磁気に敏感、熱に強いといった特長があり、私たちの身の回りでもたくさん使われています。例えば、光ファイバ通信用レーザや受光素子、携帯電話などの無線通信システム用のパワーアンプ、さらにDVD、ブルーレイなどの光源、照明用の白色LED、太陽電池などです。

■技術者に聞きました
化合物半導体を製造する上で難しいことはなんですか?

住電半導体材料(株)製造部  藤原 新也

  化合物半導体基板には、不純物が極めて少ない表面が要求されるのはもちろんのこと、Siに比べ非常に脆い材料であるため、破損や傷・欠陥が入り易いという問題があります。そのため、基板に傷が付き難いように5Mを工夫し、製品の設計・開発の段階から徹底した品質の作り込みをおこなっています。

  また材料単価がSiに比べ高く、近年、化合物半導体業界では海外メーカーとのコスト競争が激化しており、海外拠点も含め住友電工グループが一丸となって「総コスト低減」活動に取り組んでいます。

当社製品のどういった点がお客様に喜ばれていますか?

  長年に渡って培ってきた結晶成長技術・加工技術のノウハウに裏づけされた競合他社が追随できない品質の高さに強みがあると考えています。

  また当社のお客様は欧米やアジア地域にいるため、それに対応して当社の製造・販売拠点も海外にあります。お客様に近いところに製造・販売拠点があることで、納期対応をはじめ、より細やかでスピーディーな対応が出来ている点が大変喜ばれています。

最近の開発品を教えてください。

  スマートフォンなどに使用される無線通信用6インチGaAs基板です。スマートフォンの高機能化に伴い、より高品質な基板が要求されており、当社グループでは、技術、品質保証、研究部門が一体となって開発を進めることで、お客様が要求する品質を満たす基板を早期に開発し、市場投入しました。技術開発力の高さはもとより、量産化までの迅速な対応についてお客様から大変高い評価を受けています。

5M:
人(Man)・方法(Method)・測定(Measurement)・材料(Material)・機械(Machine)

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