いささか古い話題になりますが、年始のマスコミのインタビューで「今年の当社を表す漢字」を聞かれ、「仁」をあげました。日本語では「思いやり」や「慈しみ」、英語では「Compassion」ということです。
現在、当社グループは、世界各地で20万人を超える様々な国籍の社員を擁し、またグループ会社の数も約450社と、大きな組織になっています。もともと当社は自由闊達な風通しの良い会社だと思いますが、どうしても組織が大きくなると、お互いの顔が見えにくく、事務的なやりとりになりがちで、ギスギスした雰囲気や事なかれ主義の蔓延と、いわゆる大企業病になってしまう恐れがあります。予防策は、縦と横で、インフォーマルなやり方を含めコミュニケーションを密にすること、そして、一人ひとりが、相手を思いやる気持ちをもって業務にあたることであり、今年の漢字にあげた次第です。
さて、報道はめっきり少なくなりましたが、今年も日本各地で、「伊達直人」さんから、ランドセルが届けられているとのこと。また、東日本大震災については、日本赤十字社などを通じて集まった義援金は、本年1月末までに総額3640億円を超え、もう少しで震災から丸2年となりますが、最近でも相当な額の義援金が寄せられるそうです。思いやりの精神が脈々と流れていることに、ホッとします。
一方、こうしたムーブメントが、一過性のブームで終わることなく、支援の輪が大きくなり、継続されるためには工夫が必要です。支援を集める仕組みづくりも大切ですが、理想的には、支援に対する共感が拡がり、それぞれが自発的に実施する、といった雰囲気になればと思います。
「陰徳あれば陽報あり」は日本的なよい言葉だと思いますが、情報過多の昨今、多少なりとも外部にアピールし、どんな風に活かされているのかといったフィードバックも時には必要になります。ここでも、関係者間でのコミュニケーションが大事になるのではないでしょうか。
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