記録的な大雪をもたらした冬が過ぎ、新しい仲間を迎える季節になりました。新入社員には、これからしっかりと研修を受けてもらうことにしていますが、全員教育をモットーとする当社には、ほかにも多種多様な研修プログラムがあります。いわゆる課長級や部長級に昇進した社員向けの研修では、私も毎回講師を務めます。
この層は、会社の中核として事業を牽引してくれていますが、上司と部下に挟まれる難しい立場でもあります。パラダイムシフトが頻発する今日、過去の経験だけでは対応できないケースも増えており、中間管理職受難の時代などと言われることもありますが、部下や組織をよく統率し会社を繁栄させて欲しいと叱咤激励。そして、本年の要望事項、社長就任時から言い続けている人材育成の視点、住友事業精神について、改めて私の考えを説明しました。
社会経済において、健全な厚い中間層は、安心安全な社会の柱石であり、企業の拡大再生産にも不可欠なインフラでありますが、企業経営においても同様です。経営方針を十分理解し、部下をはじめ周囲を活性化させ、目標に向かって皆のベクトルを合わせることができる、健全な中間管理職層が、将来の発展成長を左右するといっても過言ではありません。
かつて私が中間管理職だったころ、当時の経営トップが諭すように「会社は負けたらあかん」と話されたのを、今でもはっきりと憶えています。すなわち、企業は、働く人や業容が変わろうとも、永遠の命を保ち、拡大再生産を続け、社会の公器として多様な役割を果たしていかねばならないと。
事業環境の変化が激しく、様々な難題に直面することもあるが、敗戦後の廃墟から世界第二位の経済大国にまで押し上げた気質を発揮し、真の知恵を働かせて欲しい、と講義を締めくくりました。
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