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広報誌 SEI WORLD 2013年

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SEI WORLD 2013年 05月号(vol. 428)

原理的、理想的なリーダー像

社長 松本正義

  先日マスコミから、「理想のリーダーの名前を挙げてほしい」とのアンケートを頂きました。参考にと添付されていた例には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、坂本龍馬、西郷隆盛、シーザー、ナポレオン、チャーチルなど、名立たるリーダーが並んでいました。しばし黙考して、挙げた名は、チャールズ・ゴードンです。

  英国ビクトリア期の軍人で、小説「シャーロック・ホームズ」にも彼の肖像画が登場するなど、英国では非常に人気が高く、彼の死が時の内閣退陣の引き金になったとの話もあります。そういえば私も英国に駐在していた時、近くの学校で、ラクダに跨るゴードン像を見かけました。

  清朝末期の太平天国の乱では、30歳になるかならないかの若さで、民兵を組織し各地を転戦、鎮圧に貢献。本国に帰還し、エジプト、ベルギー、インドなどに赴任。そして、スーダンのハルツームに派遣され、英・エジプト軍の撤退作戦を指揮。友軍すべての撤退を企図するも、それゆえに自身は敵に包囲されてしまい、救援軍の到着2日前に悲劇的な最期を遂げます。

  一方、彼の生活は清貧そのものだったと言われます。英国政府が功労に報いようとしたとき、すべての金銭や称号を辞退。俸給もほとんどチャリティに提供、外国への赴任の際には、無一文を見かねた友人が無理やり餞別を持たせたりと、少し浮世離れした人だったのかもしれません。

  原理的かつ理想的なリーダー像である「胆力」や「無私の心」を体現したことが、英国の人々、そして私を惹き付けたのだと思います。

 

社長 松本正義

 
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