■導電性ペーストによる接続技術について
従来、両面板や多層板の上下の回路接続は、①絶縁フィルムに穴をあけ、②二種類の銅めっきを実施し、③回路を形成する、というプロセス(以下、パネルめっき法、図(1))が一般的でした。しかし、パネルめっき法では、めっき銅の厚みにより、回路の高精細化には限界がありました。
一方、導電性ペーストによる接続(以下、ペーストビア法、図(2))は、①回路を形成し、②絶縁フィルムに穴をあけ、③導電性ペーストを穴に充填するというプロセスからなります。導電性ペーストに当社独自の金属ナノ粒子を採用し、ビアホールに高精度かつ均一に印刷・充填・固着させる技術を開発することにより、高い接続信頼性と品質安定性を実現することが可能になりました(特許出願済み)。ペーストビア法では、めっき銅の余分な厚みがないため、FPCを従来比で最大約30%薄型化でき柔軟性が大きく向上するとともに、より高精細な回路形成が可能になります。製造工程も、パネルめっき法と比べてシンプルになり、また不良の原因となりやすい、めっき工程を経ないため、高品質で信頼性の高いFPCを提供できます。
今後は、量産ラインの海外展開を図るとともに、モバイル端末用液晶パネルやタッチパネル用途をはじめ、幅広い分野への拡販に取り組んでいきます。
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