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広報誌 SEI WORLD 2013年

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SEI WORLD 2013年 08月号(vol. 431)

次世代超潤滑膜「ブリリアントコート」適用の切削用コーテッドサーメット「T1500Z」

当社は、業界初の次世代超潤滑膜「ブリリアントコート」を被覆することで、鋼切削の仕上げ加工において美しい仕上げ面が得られるコーテッドサーメットの新汎用材種「T1500Z」を開発、本年2月より販売を開始しました。

■製品データ
発売開始時期 2013年2月
 

次世代超潤滑膜「ブリリアントコート」適用の切削用コーテッドサーメット「T1500Z」ってなに?

コーテッドサーメット「T1500Z」

  サーメットとは、チタン化合物が主成分の硬質合金で、鉄との親和性が低いという特性があります。このため、切削工具に適用して鉄系金属を加工すると、光沢のある美しい仕上げ面が得られます。また、切削工具に多く用いられる超硬合金に比べ、希少資源であるタングステンの使用量が少ないという利点もあります。

  このたび当社が開発した次世代超潤滑膜「ブリリアントコート」は、非常に優れた潤滑特性を有しており、鉄系金属との反応をより大幅に低減させます。このため、サーメット製切削工具に被覆すると、被削材の溶着をさらに大きく抑制し、“むしれ”を防止するので、光沢感が高く、面粗度の安定した、より美しい仕上げ面が得られます。また、「ブリリアントコート」は耐摩耗性も非常に高く、切削工具としての寿命を従来品比で約1.5倍以上に向上させ、工具の長寿命化も達成します。

 

どんなところで使われているの?

  自動車や産業機械等の鋼部品の仕上げ切削加工に用いられています。

■技術者に聞きました
次世代超潤滑膜「ブリリアントコート」を開発する上で難しかったことはなんですか?

住友電工ハードメタル(株)合金開発部 合金開発グループ  小池 さち子

  サーメット工具は幅広い加工で使用されるため、お客様のニーズも多岐にわたります。特に、優れた工具寿命と加工面品位が強く求められますが、それぞれに必要な膜特性が異なるためこれらを両立することは難しい課題でした。そこで新しいコーティング技術を導入し、従来にない超潤滑膜を開発しました。ブリリアントコートは従来プロセスでは製造できず、当社になかった新規プロセスを立ち上げたため、設備改造を含め条件出しから安定した量産条件の確立まで時間がかかりましたが、ようやく製品化することができました。

当社製品のどういった点がお客様に喜ばれていますか?

  新開発のブリリアントコートサーメットは、加工初期から安定して優れた加工面品位が得られると好評を頂いています。特に、従来のコーテッドサーメットでは適用できなかった加工面品位要求が厳しい用途においても使用できる点が評価されています。また工具寿命の面でも優れているため、加工コストも削減できると喜ばれています。

WEBサイトURL http://www.sumitool.com/products/cutting-tools/inserts/grades/t1500z.html

・「ブリリアントコート」は、住友電気工業(株)の登録商標です。

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