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広報誌 SEI WORLD 2013年

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SEI WORLD 2013年 10月号(vol. 433)

マグネシウム合金「AZ91」板材 PC筐体に採用

当社のマグネシウム合金「AZ91」板材(以下、AZ91合金板材)が株式会社東芝のdynabook KIRA V832・V632の筐体に採用されました。当社は、2010年に独自の鋳造・圧延加工によるAZ91合金板材を開発、量産化に世界で初めて成功しました。今回、AZ91合金板材の特長である、デザイン性の高いプレス加工が可能で、高い堅牢性を保ちつつ、薄型化が可能といった点を評価、採用いただきました。今後もAZ91合金板材のすぐれた特長をアピールするとともに、さらにQCDに磨きをかけ、さまざまな分野への拡販を進めていきます。

 

マグネシウム合金AZ91板材を総復習

■AZ91合金板材とは?

無垢のAZ91合金板材

  今回の開発に使用したAZ91合金は、Al(アルミニウム)を9%、Zn(亜鉛)を1%程度添加し、マグネシウムの弱点である耐食性を向上させた材料です。

  アルミニウムの含有量が9%になると十分な耐食性を得ることができますが、一方で、合金の析出物が大きくなるという問題が発生し、加工(圧延)での割れを誘発するため、板材の製造は困難と思われていました。当社はこの問題を、独自の製造プロセスにより結晶組織を細かくすることで克服し、板材の開発、製造に成功しました。

 
■AZ91合金板材の特長って?
特長1

さらなる高強度化を達成し、軽量性はそのままに、比強度は実用金属中トップクラス。かつ、優れた耐凹み性、耐衝撃性を誇ります(図1)

AZ91合金鋳造材等と比べて強度、伸びが大幅に向上、強度は1.5倍以上の380MPa、伸びは数倍となる10%以上を達成しました。また、プレス加工性もAZ31合金板材と同等を実現しました。

図1

特長2

実用化されているマグネシウム合金中、最高レベルの耐食性を実現

特長3

表面処理、塗装など、現在使用されているほとんどの工程が適用可能。またデザイン性の高い塗装、加工が可能(図2)

使用できる塗料の自由度が高いため、デザイン性の高い塗装が可能です。また、従来のマグネシウム合金では困難とされたダイヤカットによる研削加工や金属調の表面処理も可能になります。

図2

特長4

電子機器だけでなく、車や鉄道など、マグネシウム合金はさまざまな分野への応用が期待できます。

 
経済産業省が2013年度から新たに開始する「革新的新構造材料等技術開発」に係る委託先に選ばれました。

今後、自動車を中心とした輸送機器の抜本的な軽量化を目標に、強度、加工性、耐食性等の複数の機能と、コスト競争力を同時に向上させたマグネシウム合金材の開発に取り組んでいきます。

マグネシウム合金Webサイト http://www.sei.co.jp/az91/
 
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