先日、弊社も出展致しました「第20回 ITS世界会議 東京2013」に行ってまいりました。ITSとは、「高度道路交通システム」の略語ですが、近年は「クルマ・交通」という枠にとどまらず、それらが私たちの生活とどのようにつながるか、社会をどのように豊かにするか、という視点でも大きな拡がりを見せています。
ニューコメンやワットなどによって製造・改良された蒸気機関は、「車」という形を得て、ガソリンエンジンの発明により能力を高め、20世紀に入って大量生産されるようになると、一般社会にも普及していきます。車の進歩が社会を変えてきたと申し上げても言い過ぎではないでしょう。今回のイベントにも、車や道路交通そのものの新技術のみならず、交通から生じるビッグデータの活用技術や、エネルギーマネジメントなどの技術も多数出展されており、近未来の社会の可能性を窺うことができました。
私が社会に出た頃は、スマートフォンもインターネットももちろんまだ存在しておりませんでした。しかし、SF映画の中だけのことだと思っていた技術が、この20年ぐらいで、仕事のやり方を変え、新しい市場を生み出し、一般市民のライフスタイルまでも変えています。
たとえば、最近注目を浴びている自動運転システム。行先を指示すれば自動走行して連れて行ってくれる車が実用化されれば、運輸・運送業はもちろん、車を取り巻くさまざまなビジネスの姿が大きく変わることでしょう。新しい技術は、大きなパラダイムシフトを起こす可能性を秘めています。
これから5年、10年と経過して、自動走行の車が街中を当たり前に走るようになったとき、弊社グループもそのような社会に欠かせない製品や技術、ソリューションを間断なく提供していけるよう、社員一同、日々努力を重ねております。今月号では「第43回 東京モーターショー 2013」でご紹介する製品・技術の特集も組みました。弊社グループの取り組みの一端をご覧いただけますと幸甚です。
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