住友電工ホームへサイトマップお問い合わせ
製品情報会社案内プレスリリース株主・投資家情報研究開発CSR活動

広報誌 SEI WORLD 2013年

Home > 会社案内 > 広報誌 SEI WORLD > 2013年 > 12月号 > 特集

SEI WORLD 2013年 12月号(vol. 435)

米国でタングステンの鉱石精錬、リサイクル事業拠点が来春稼働開始

当社と米国のタングステン粉末メーカーであるBuffalo Tungsten Inc. (BTI社)の子会社のNew York Tungsten L.L.C.との合弁で設立したNiagara Refining LLC(NIRE社)において、2014年3月から希少金属であるタングステン鉱石の精錬とスクラップのリサイクルにより、タングステンの中間原料である三酸化タングステン(WO3)を生産する事業を開始します。

  当社超硬工具製品の主原料であるタングステンは、そのほとんどを輸入に依存しています。また、タングステンは埋蔵されている国が限られており、主に中国に偏在しているため、常に供給リスクにさらされています。

  これまで、当社では、住友電工グループ会社である(株)アライドマテリアルが三酸化タングステン(WO3)を中国他、海外から調達し、超硬工具の原料となる炭化タングステン粉(WC)を製造しています。

  今般、NIRE社が稼働することにより、これまで海外から調達していたタングステン原料である三酸化タングステン(WO3)を世界のタングステン鉱山からの鉱石と、市場から回収したスクラップを原料として、当社グループ内で生産できるようになります。

  今後、NIRE社は三酸化タングステン(WO3)の生産、また、(株)アライドマテリアルは炭化タングステン(WC)粉末の生産と、当社グループ内にて一貫して超硬工具の粗原料から完成品まで生産することで、グループ内の連携による生産最適化によるシナジー効果を追求し、一層の競争力強化を図っていきます。

 

タングステン鉱石精錬、スクラップのリサイクルから超硬工具製造までの流れ

タングステン鉱石精錬、スクラップのリサイクルから超硬工具製造までの流れ

  NIRE社では、タングステンの鉱石精錬とスクラップのリサイクルからタングステンの中間原料である三酸化タングステンを生産します。

 
■タングステンのリサイクルについて総復習
住友電工グループの超硬合金リサイクルシステムとは?

  超硬工具に使われるタングステン等のレアメタルは貴重な資源です。しかし、日本でのリサイクル率は約25%で、米国の約50%、欧州の約40%等と比較してもリサイクルが遅れています。住友電工グループでは、原材料の安定確保と希少資源の有効活用の観点から、「亜鉛処理法」、「湿式化学処理法」という2種類のリサイクル技術を活用して、使用済みの刃先交換チップや超硬合金製品を回収し、溶解・再加工して高純度の工具に再生できる体制を確立しました。

なぜリサイクルするの?

  鉱石に含まれるタングステンの割合は1%未満。 それに比べ、超硬工具に含まれるタングステンの含有量は約85%。精錬作業の効率を考えると、超硬スクラップから抽出する方が効率的です。また一つの切削チップを作るためには、多くの鉱石を精錬する必要があります。鉱石の採掘作業や輸送エネルギー等を考慮すると、超硬スクラップをリサイクルするほうがエコです。

Webサイト http://www.sumitool.com/csr/recycling-of-carbide-tools/
 

NIRE社の概要について

社名 Niagara Refining LLC
事業内容 三酸化タングステン(WO3)の生産
所在地 米国ニューヨーク州Depew(デピュー)市
資本金 19.3百万米ドル(約19億円)
出資比率 Sumitomo Electric Carbide Inc. 60%
New York Tungsten L.L.C. 40%
設立 2010年4月
営業開始 2014年3月から順次稼働予定
社長 Mr. Roger Showalter
従業員数 約40名

Niagara Refining LLC

当社100%出資の超硬工具製品の北米向け販売・事業管理会社

 
12月号トップへ
ページトップへ
(C) 2014 Sumitomo Electric Industries, Ltd.
サイトのご利用にあたって個人情報保護方針