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広報誌 SEI WORLD 2014年

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SEI WORLD 2014年 03月号(vol. 438)

極細同軸ケーブル

  極細同軸ケーブルは、1997年に開発され販売を開始しました。当社の極細同軸ケーブルは、世界でもトップシェアを獲得しており、国内外で豊富な販売実績を有しています。
  またこの極細同軸ケーブルには、当社の銅荒引線が使われており、直径8mmの銅荒引線を直径0.1mmにも満たないレベルまで細く加工しています!

■製品データ

発売開始時期 1997年5月
 

極細同軸ケーブルってなに?

  「極細同軸ケーブル」とは、各同軸の外径が0.20~0.35mmと超細径で、携帯電話、パソコンなどに必要不可欠な特殊な通信用電線です。近年における電子・電気機器の高速伝送化にも対応し、また細径でかつ柔軟であるため、実装の自由度が高く、省スペース配線に最適です。

  電子・電気機器の高解像度化・高機能化に伴ってデータ伝送速度が高速化する中、こうした配線材料も高周波特性とノイズ対策が必要になります。極細同軸ケーブルは、従来のフレキシブルフラットケーブルなどの配線材料と比較すると、これらの要求に対して有利な配線材料と言えます。

極細同軸ケーブルの構造

 

極細同軸ケーブルはどういったところに使われているの?

  当社の極細同軸ケーブルは、デジタルカメラ、ノートブックパソコン、携帯電話、薄型テレビなど、さまざまなエレクトロニクス製品の内部配線として使用されています。現在、AWG36~46まで幅広いラインナップをご用意しています。

  当社のThunderboltケーブルにも極細同軸多芯ケーブルが使われており、同軸線2芯ペアでの差動伝送を行うことで高速伝送を実現しています。

AWGは、米国ワイヤゲージ規格(英語: American Wire Gauge)で、ワイヤーの直径や断面積、電気抵抗率などを定めた標準規格のこと。

■技術者に聞きました
極細同軸ケーブルを製造する上で難しいことはなんですか?

住友電工電子ワイヤー(株)八戸事業所 極細線技術課  林下 達則

  極細同軸ケーブルは、中心導体、誘電体、遮蔽、外被の4層で構成されており、お客さまの要求に応じ、多種多様なラインナップを取り揃えております。最も細いタイプの同軸外径はΦ0.2mmです。それぞれの部位における製造プロセスの管理は非常に緻密です。例えば、中心導体は破断強度15gfのΦ16μmの銅線を7本撚線するために、銅線1本当たり3~5gでの張力管理が必要です。また、誘電体や外被については、フッ素樹脂の押出成形で被覆しておりますが、その被覆厚さは20μmと非常に極薄であり、外径の振れ幅±3μmの管理が必要です。それらを実現するために、高精度な低張力機構の設備開発、高抗張力導体や高流動フッ素樹脂などの材料開発を実施し、さらに製造面においては、繊細な最適条件の構築、かつ維持管理を実施し、安定生産を実現しております。

当社製品のどういった点がお客さまに喜ばれていますか?

  極細同軸の特長である「外径小径化」、ノートパソコンや携帯電話などの可動部位での「高い機械的信頼性」、大容量データ伝送における「高速伝送特性」、そして「高い柔軟性」において市場での優位性を示しており、さまざまなお客さまより喜ばれております。

WEBサイト http://www.sei.co.jp/ewp/J/products/detail/pdf/6_MFCX.pdf

・Thunderboltは、米国 Intel Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。

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