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広報誌 SEI WORLD 2014年

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SEI WORLD 2014年 06月号(vol. 441)

電力線通信(PLC)によるリアルタイムメガソーラー監視システムの実用化に成功

  ソーラーパネルの初期の設置不良、長期劣化や故障は、発電電力や売電量の減少を引き起こしますが、数万枚~数十万枚のパネルから構成される現状のメガソーラーでは、どのパネルが劣化しているかを総発電量の低下から検知することは困難です。このため、パネルの発電量を正確にリアルタイムに監視ができ、かつ手軽に取り付けられる、安価な監視システムが求められています。

  こうした状況に対応して、当社はメガソーラーで使われる600V~1kV以上の直流高電圧電力ケーブルを、そのまま通信媒体として活用するPLC技術を用いた、メガソーラー監視システムの実用化に成功しました。本システムの実用化にあたっては、(株)ユアテックにご協力いただきました。

  PLC技術は、高い直流電圧や大きな電力ノイズ環境下では実用化されていませんでしたが、当社では、メガソーラー特有の大容量パワーコンディショナーが発生する大きなノイズ環境でも、問題なく正確に情報伝達できる独自方式のPLC技術を開発し、本システムに採用しました。

■PLSとは?

電力線通信(Power Line Communication)のこと。既存の電力線を通信回線として利用する技術で、新たに通信線を布設することなく、データ伝送がおこなえる技術です。

 
監視システムの構成例(500kW分:子機10台分)   既設接続箱内へのPLC端末装置の設置状況

特長1:通信のための新規配線不要

  本システムでは、接続箱内にPLCを活用した子機を設置し、ストリング(※1)ごとに計測した電流、ソーラーの電圧情報を既存の電源線でモニタ装置に伝送するため、通信のための新規配線が不要です。また、子機の動作に必要な電力も、ソーラーの電源線から取れるため、AC電源線も不要です。

特長2:新設だけでなく、既設のメガソーラーにも適用可能

  貫通型だけでなく、クランプ型電流センサにも対応しているため、接続箱の結線など、既設のメガソーラー設備を変更することなく、容易に後付け的にセンサや子機、親機を設置できます。

特長3:ノイズや雷サージ(※2)に強い

  長年培ってきたPLCの経験に基づき、電源ノイズに対して高い通信性能を有するとともに、雷サージなどから機器を守る対策も十分に施しています。

特長4:他方式に比べて低コスト化が可能

  子機は、外径が160mm×130mm×50mm、重量は500gと接続箱内に設置できる小型化を実現し、外置きの別の収納箱も不要です。また、親機は、取り付け場所や方法に依存しますが、さらに小型化が可能です。既設および新設を問わず、装置を簡単に設置することができるため、設置費用の低減も可能になります。

※1ストリング:
太陽光発電パネルを複数枚並べて直列接続したもの
※2雷サージ:
雷によって発生する過電圧や過電流

 

パワーシステム研究開発センター

 
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