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広報誌 SEI WORLD 2014年

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SEI WORLD 2014年 08月号(vol. 443)

ポアフロン®モジュール

ポアフロン®モジュール

水は、私たちの生活になくてはならない大切な資源です。一方、生活排水や産業排水などにより引き起こされる水質汚染は、世界中の人々の生活や、環境その他あらゆる側面から、人類にとって最も大きな問題の一つとなっています。当社は、独自の素材を用いた水処理技術で世界の水環境・エネルギー問題を解決する製品を提供し、社会に貢献しています。今回は、当社の水処理用製品「ポアフロン®モジュール」を紹介します。

 

ポアフロン®モジュールってなに?

ポアフロン®の拡大図

  ポアフロン®モジュールとは、当社が2003年に発売を開始した、精密ろ過用の水処理膜製品のことです。

  このポアフロン®モジュールは、当社が製造するフッ素樹脂の一種で高い耐薬品性、耐熱性を有する100%PTFE(※1)(四弗化エチレン樹脂)を使用した多孔質材料ポアフロン®でできています。

  PTFEの特長により、耐薬品性、高強度、高透水性、耐熱性、といった4つの特長を持つポアフロン®の中空糸膜数百本を配列してモジュールとしたものがポアフロン®モジュールです。

  1999年当時、ポリエチレンが水処理膜の中心的な材料でしたが、強度や耐薬品性が不足していました。PTFEの高強度、高耐薬品性の特性を生かし、こうした問題を解消できないかという思いから、ポアフロン®モジュールの開発は始まりました。当社のポアフロン®モジュールは都市下水、有機系産業用排水、高濃度非水溶性含油排水、高濁度排水など、さまざまな水処理の場面で活躍しています。

※1PTFE:
PolyTetraFluoroEthylene(ポリテトラフルオロエチレン)、日本語では四弗化エチレン樹脂と呼ばれる。

 
■ポアフロン®の4つの特長
耐薬品性

強アルカリなど、さまざまな薬品に対して安定している。

高強度

切れにくく、長期間の使用が可能である。

高透水性

気孔率が高いため、汎用プラスチックとしては最高クラスの透水性がある。

耐熱性

膜ろ過として、200℃までの温度の液体に使用できる。

 

ポアフロン®モジュールの応用例

■小型油水分離装置

  油水分離性や耐アルカリ性に優れたポアフロン®モジュールを使用し、製造工程から出る油分を多く含む排水・排液を、薬剤を使用することなく、油分・浮遊物質とろ過水に分離する含油排水処理装置を発売しました。

  本装置は、産業廃棄物の減容、アルカリ脱脂洗浄液の回収など、製造メーカーにおける環境負担やコストの削減に貢献します。

 

小型油水分離装置

 

アルカリ脱脂洗浄液

 
■台湾・石油精製工場の排水処理

  台湾のある大規模石油精製工場では、大量に発生する排水の処理にポアフロン®モジュールが使われています。ポアフロン®により浄化された排水は、その70%が同工場の工業用水として再利用されています(1日当たり再利用水量6,000m3)。ポアフロン®は油分や有機物などの汚物を含んでいても、目詰まりしにくく、安定してろ過でき、汚れても、強いアルカリなどを用いて汚染物を洗浄除去できる耐薬品性があります。この長期にわたり使用できる耐久性・性能安定性が評価され、採用されました。

台湾大手石油精製会社の排水処理の様子

■油田随伴水処理システム

  石油採掘に伴って出てくる地層水(随伴水)には、油や濁質が含まれており、放流および地下への再注入、再利用のため浄化が求められています。

  この油田随伴水処理は、当社のポアフロン®モジュールの優位性が発揮できる分野です。実用化に向けてさまざまなテストを行っており、今、話題のシェールガス田への適用も目指しています。また、ポアフロン®モジュールの前処理として、吸着塔(図印)を搭載した新しい油田随伴水処理システムも開発しています。この新システムは、再利用を視野に入れた高度な水処理が行え、かつ凝集剤を使用しないので残渣(※2)処置の必要がなく、安価な処理が可能です。

油田随伴水処理システム

※2残渣:
ろ過などのあとに残った不溶物のこと。

 

今後も住友電工グループは、ポアフロン®モジュールをはじめとした水処理関係の製品を通して、世界の水環境・エネルギー問題の解決へ貢献してまいります。

 
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