■「レドックスフロー電池システムの開発」
筒井 康充、重松 敏夫、柴田 俊和(当社)
受賞者らは、不安定な電源の安定化対策などに期待されるレドックスフロー電池の開発において、新たな電池材料の開発や、スマートグリッドへの電池適用を目的としたシステム開発などを進めました。2011年には小型風力・太陽光発電と2kW/10kWhのレドックスフロー電池からなる直流マイクログリッドを構築し、2012年からは100kW太陽光発電と1MW/5MWhのレドックスフロー電池を組み合せて工場系統に接続し、FEMS(ファクトリーエネルギーマネージメントシステム)としての制御実証も含めて、実規模システムでの検証を実施し、成功しました。
■「国内初となる高温超電導ケーブルの電力系統での実証運転の成功」
三村 智男氏(東京電力(株))、下田 将大氏((株)前川製作所)、芦辺 祐一(当社)
NEDOの「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」において、当社と東京電力(株)と(株)前川製作所は、ビスマス系高温超電導線材を用いた66kV3kA級三心一括型高温超電導ケーブルシステムを東京電力(株)の旭変電所内に設置しました。
2012年10月末から1年2カ月にわたり国内で初めて電力系統に接続した超電導ケーブル送電の実証試験を実施し約7万世帯に電力を安定供給することに成功しました。
■「超高圧直流架橋ポリエチレン電力ケーブルの開発と実線路適用」
大木 義路氏(早稲田大学)、佐々木 英隆氏(電源開発(株))、片貝 昭史((株)ジェイ・パワーシステムズ)
受賞者らは、架橋ポリエチレンケーブル(以下、XLPEケーブル)が高温運用や極性反転※した場合に絶縁破壊が生じやすいという問題に対し、材料・設計・製造・布設など総合的に技術開発を行い、微量の無機成分を絶縁材料に添加することにより、絶縁体中の空間電荷蓄積を抑制した超高圧直流XLPEケーブルの開発に成功しました。このケーブルは、北海道・本州±250kV連系線に採用され、2012年12月に実運転を開始しました。
※極性反転:
運用の状況に応じて、電圧のプラスとマイナスを入れ換える操作。
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