当社はこのほど、電源ケーブルを接続することなく、ウェアラブル端末などの電子機器へ給電することができる超小型・薄型ワイヤレス給電モジュール(以下、ワイヤレス給電モジュール)を開発し、8月よりサンプル出荷を開始します。
今回開発したワイヤレス給電モジュールには、電磁誘導方式(※1)を採用しています。
ワイヤレス給電モジュールは、制御基板とアンテナで構成されています。従来、アンテナには巻線コイルが使われており、柔軟性がなく、小型化する機器内部での設計に制限がありました。そこで、当社独自の立体配線技術の導入により、業界で初めて、巻線コイルをフレキシブルプリント基板(以下、FPC)に置き換えた給電モジュールを開発しました。これにより、柔軟性が向上、さらに従来の規格品より84%小型化、75%薄型化を実現しています。また今回開発した製品により、電子機器の高性能な設計やデザインが可能になったほか、防水やコードレス化など機能性の向上にも貢献します。
本製品の使用分野は、防水防塵対応が求められるウェアラブル端末、コードレス化へのニーズが高いヘルスケア機器、産業機器など、ますます小型、軽量化が求められる分野を想定しています。今後、2014年10月の製品化に向け、電力の伝送効率の向上や製品ラインナップの拡充を進めるとともに、磁界共鳴方式(※2)の開発にも取り組んでいきます。
※1電磁誘導方式:
非接触電力伝送の方式の一つで、送電側から供給された電力エネルギーが空間を介し、受電側に磁束を発生させ、電力を流すことができる方式です。
※2磁界共鳴方式:
給電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わる現象を用いた方式です。電磁誘導方式に比べ、離れた距離でも送電できる方式として注目を集めています。
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