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広報誌 SEI WORLD 2014年

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SEI WORLD 2014年 09月号(vol. 444)

木造住宅用地震対策 制震システム TRCダンパー®

  いつどこで起こるかわからない地震。地震が発生する前だからこそ、さまざまなリスクへの対策が可能です。今回紹介するTRCダンパー®は、地震の際に建物の揺れを抑えて、家族の暮らしと家を守ります。

■製品データ
発売開始 2009年6月
生産拠点 日本
 

TRCダンパー®ってなに?

  TRC(※1)ダンパー®は、地震の揺れを抑える地震対策システムです。

  揺れに応じてダンパーが伸び縮みすることで、ダンパーの中に組み込まれた特殊粘弾性ゴムが地震エネルギーを熱に変換して吸収、建物の揺れを大幅に低減します。この特殊粘弾性ゴムは、東海ゴム工業(株)が、自動車用防振ゴムで培ってきた技術を応用しています。

特殊粘弾性ゴムについて

  特殊粘弾性ゴムは瞬時に運動エネルギーを熱エネルギーに変換するため、跳ね返りません。

※1TRCダンパー®の名称は、「Tokai Response Control」の頭文字よりとりました。

 

どんなメリットがあるの?

  TRCダンパー®は、高い制震効果を発揮し、家屋の倒壊や変形を抑えることで、被害や復旧コストの軽減が期待できます。震度6強で最大50%程度の揺れを吸収し、建物の被害を軽減することができます。家の強度を上げて耐震する場合、地震による倒壊の危険を回避(耐震)しますが、被災するごとにダメージがたまり、強度が落ちてしまいます。TRCダンパー®を利用した「制震」は、建物へのダメージの蓄積が少ないため、余震などの繰り返しの地震にも高い効果を発揮します。さらに経年変化が少なく、劣化しにくい材料を用いているため、定期的なメンテナンスがなくとも、長期的に優れた効果を発揮します。

  新築の家にはもちろん、既存の住宅へのリフォームにも施工が可能で、木造(軸組工法)の家に住む幅広いお客さまにご利用いただけます。

■技術者に聞きました

東海ゴム工業(株) 化工品事業部 住宅技術部  野村 武史

開発でどんなところに苦労しましたか?

  ダンパーに使用している特殊粘弾性ゴムは、温度による性能の変化を抑えたゴム材料です。一般的にゴム材料は寒い時に硬く、暑い時に軟らかくなりますが、TRCダンパー®の特殊粘弾性ゴムは、変化を最小限に抑えるために高分子材料配合技術を駆使して開発しました。ゴム材料には何種類もの薬品が配合されており、開発にあたり1,000通り以上の配合試料を評価しました。

  またダンパーの設計に関しては、在来の木造住宅に取り付けやすく、かつ性能が十分に発揮できる工法が求められます。木造住宅のあらゆる形状に対応できる汎用性の高い接合部の設計や加振試験に3年を費やし、商品化へと漕ぎ着けました。

どんな評価をいただいていますか?

  TRCダンパー®は、国土交通省の大臣認定(新築)や日本建築防災協会(リフォーム)などの公的機関の評価を取得し、お客さまに安心して使っていただいております。また施工のしやすさにおいても多くの工務店さまからご好評を得ております。新築・リフォームを問わず使用でき、お客さまの家ごとに地震でどう揺れを抑えるかをシミュレーションするため、制震効果をご納得のうえで採用していただいております。

東海ゴム工業(株)は2014年10月1日より、商号を住友理工株式会社に変更いたします。

WEBサイトURL http://www.tokai.co.jp/trc-damper-wh/

・TRCダンパー®は、東海ゴム工業株式会社の登録商標です。

 
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