本号でもご紹介しておりますが、当社のOFケーブル※が、日本の科学技術発展を示す貴重な科学技術史資料として、国立科学博物館が選定する2014年度「未来技術遺産」に登録されました。
「未来技術遺産」の選定は、日本の産業技術史の中でエポックメイキングな技術、社会・生活に大きな影響を与えた製品などを、次世代に継承していけるようにと2008年に始まった取り組みで、本年選定分を含めこれまでに200点近くの製品・技術が登録されています。今月でちょうど開業50周年を迎える東海道新幹線の0系車両や、白黒テレビ、電子卓上計算機など、「ああ、あれか」とすぐに思い出せる製品も多数認定されています。
今回登録された当社のOFケーブルは、1930(昭和5)年に作られたものですが、当時の技術者は、80余年の後に再び脚光を浴びるなどとは思っていなかったことでしょう。この間、幾人もの技術者が、改良を繰り返し、信頼性を高める努力を重ねたことで、OFケーブルは電力輸送の重要なインフラとして社会を支え続けてきました。一般の皆様にはなじみの薄い製品ではありますが、今回選定していただいたことは誠に有難く、また意義のあることであろうと思います。
現在でも、当社グループでは多くの社員が、優れた技術を開発し、社会に役立つ製品を世に送り出すために日夜奮闘しております。「一隅を照らす」という言葉がありますが、華やかな仕事でなくとも、毎日の仕事に矜持を持って一所懸命に取り組んでほしい、と社員にはいつも伝えております。何十年か経って、後の人が「良い仕事をしてくれた」と言ってくれるなら、これほど素晴らしいことはないのではないでしょうか。 |