2025.10.31

伊丹製作所が推進する地域と連携した環境保全活動

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水素のイメージ画像

当社グループの製造拠点である伊丹製作所では、伊丹市と連携し、近隣の昆陽池公園における生物多様性保全活動や、脱炭素に貢献するどんぐり苗木の里親プロジェクトを進めています。

昆陽池公園の植樹や除草活動(森部会活動)

伊丹製作所の東に位置する昆陽池公園は野鳥のオアシスとして有名な公園です。豊かな動植物が生育・生息できる水辺環境を再整備する目的で、市民と行政が一体となり、公園の自然再生に取り組んでいます。

伊丹製作所では、日頃からお世話になっている地域の方々への地域貢献、恩返しとして、伊丹の市民団体・伊丹の自然を守り育てる会「森部会」と共に、カワウの糞尿被害によって一度は枯れてしまった昆陽池公園「野鳥の島」の樹林の再生(森づくり)の為、外来種の駆除や除草活動、里山山林づくりを行っています。

「森部会」の活動へは2008年より参画しており、これまでにのべ700名以上の従業員が参加しています。地元での自然環境維持活動に取り組むことで、昨今高まりつつある地球環境問題への従業員の当事者意識や、持続可能な社会への関心を高め、循環型社会の実現に向けたきっかけの一つとしたいと考えています。

除草活動などの様子

絶滅危惧種の保全(オニバス育成)

伊丹市は生物多様性保全の取組み状況に対する評価で全国1位(平成28年11月30日)に選ばれており、伊丹市および伊丹の自然を守り育てる会「池部会」では、絶滅危惧種Ⅱ類「オニバス」復活等の活動に取り組んでいます。

オニバスは、かつて昆陽池等で自生をしておりましたが、2002年に鴻池地区の西池・黒池で確認されたのを最後に姿を消してしまいました。伊丹市や「池部会」では、池に残っていた種を育てて数を増やし、昆陽池や伊丹市内の他の池でオニバスを復活させようとしています。

伊丹製作所では、 地域貢献活動の一環として2021年度よりオニバスの育成を行い、いまでは多くの花を咲かせています。また収穫したオニバスの種は、伊丹市に提供し、伊丹市での育成に活かされています。

伊丹製作所でのオニバス育成の様子

伊丹市今池での育成の様子
(伊丹製作所で発芽した株を移植)

オニバスとは

  • スイレン科
  • 一年生の大型草(葉の直径:2m以上)
  • 環境汚染のため減少(絶滅危惧種)
  • 昆陽池に生育(昭和50年代に消滅)

どんぐり苗木の里親プロジェクト

本活動は、伊丹市と島根県飯南町(伊丹市の姉妹都市のひとつ)がカーボンニュートラル実現に向けて開始した活動のひとつです。伊丹製作所では2024年より未来のCO2吸収源の育成(カーボンクレジット創出)及び地域との連携強化を目的として活動に取り組んでいます。

伊丹製作所内ではどんぐりの苗木を里親として育成している他、2025年4月に開催の稲荷祭にて伊丹市と共同で「どんぐりの木を育てよう!」イベントを実施し、約100名の方が苗木育成に参加しました。

みんなで大切に育て成長した苗木は2025年9月に島根県飯南町に植林を行いました。植林された苗木は今後40~50年間の歳月をかけてより大きく成長していきます。

※「稲荷祭」は毎年4月第1日曜日に創業記念祭として開催しているお祭りです。

どんぐり苗木の育成フロー

島根県飯南町での植林の様子

カーボンクレジットを活用したカーボンオフセットの試み

伊丹製作所の2025年稲荷祭で発生したCO2について、島根県飯南町の森林から生まれたカーボンクレジットを購入することで、カーボン・オフセットを実現しました。(このオフセット量は当社グループのGHG排出量削減の取組みには含まれません。)なお、飯南町ではこの売上の一部を森林資源の育成に活用しています。

今後もこのような取組みを通じて地域と連携した脱炭素の好循環を生み出し、持続可能な社会の実現の一助となるよう、また社内だけではなく地域の方々にも興味を持っていただけるよう、活動を継続してまいります。