PC鋼材
(土木分野-防食鋼材 エポキシストランド)
防食鋼材 エポキシストランド
外観
エポキシストランドはPC鋼より線に高品質エポキシ粉体塗装を施した防食鋼材で、ケーブルの耐久性を高めるために開発されたものです。
塩害対策橋など特に高耐食性を要求される場合やノングラウトの外ケーブル、グラウンドアンカー等にご採用いただいており、我が国の防食鋼材で最も信頼されるものとして高い評価をいただいております。
また、エポキシ塗装被膜の保護により通常のPC鋼より線に比べ耐疲労特性も一段と向上し、 エクストラドーズド橋への適用も広がっています。
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エポキシストランド
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ポリエチレン被覆付
フロガード -
フロボンド
構造
設置箇所の事例
エポキシストランドの橋梁分野における適用実験の件数比率
外ケーブルにエポキシストランドを使うメリット
エポキシストランドをノングラウト外ケーブルに適用することで、グラウト式外ケーブルに比べて次のようなメリットがあります。
- グラウト作業省略により、省力化、工期短縮が可能。
- 長尺のポリエチレン保護管の接続、設置作業の省略。
- ケーブル自重の軽減。
- 供用後もケーブル点検が容易。
- 製造時から保管、架設、供用に至る全期間の防食が可能。
寸法及び機械的特性
記号 | 呼び名 | 基本外形 (mm) |
膜厚 (μm) ※1 |
単位質量 (kg/km) |
0.2%永久伸びに 対する荷重 (kN) ※2 |
引張荷重 (kN) ※2 |
伸び (%) ※2 |
リラクセーション (%) |
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ESWP7A | 12.4 | 13.6 | 400~1200 | 765 | 136以上 | 160以上 | 3.5以上 | 1000時間後 6.5%以下 |
15.2 | 16.4 | 1,155 | 204以上 | 240以上 | 3.5以上 | |||
ESWP7B | 12.7 | 13.9 | 813 | 156以上 | 183以上 | 3.5以上 | ||
15.2 | 16.4 | 1,155 | 222以上 | 261以上 | 3.5以上 |
※1:クラウン部、※2:JIS G 3536-1999に準ずる
主な技術データ
項目 | 内容 |
---|---|
塩水噴霧試験 | ASTM B117-73に準ずる3000時間後塗膜に異常を認めない (但し破断荷重の70%の緊張下) |
地中曝露試験 | 緊張荷重(0.6Pu)載荷、7年経過後、塗膜の劣化、PC鋼より線に発錆なし |
複合サイクル試験 | 6ヶ月間で異常なし |
付着性能 | 裸PC鋼より線と同等 |
標準セットロス | 9mm |
摩擦係数 (ポリエチレンシース内のフロボンド) |
M=0.3(1/rad)以下 λ=0.004(1/m)以下 |
エポキシストランドの膜厚に関する規定(参考)
規格 | ASTM(A882-2002) | ISO(14655-1999) | JIS(ドラフト) |
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規格 範囲 |
クラウン部膜厚 (Non-fill and Fillタイプ) 0.38~1.14mm |
クラウン部膜厚 (Non-fillタイプ) 0.65~1.15mm (Fillタイプ) 0.40~0.90mm |
クラウン部膜厚 (Fillタイプのみ) クラウン部6箇所の平均 0.5~0.9mm 各クラウン部 0.4~1.2mm |
測定 方法 |
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測定 位置 |
鋼材破断時までの塗膜の追随性
専用の定着具で塗膜の上から直接定着可能
ソルトスプレー1000時間後の従来材との比較
偏向部におけるエポキシケーブルの曲げ疲労試験
諸注意
- 緊張・定着には専用の機器・部品をご使用ください。
- 荷下ろし及び移動には、フォークリフトやホイスト等を使用し、エポキシ表面に疵を付けないようにしてください。
- 挿入時には、線が単管等の金属物と擦れないように配慮してください。
- 万一疵が発生した場合は、メーカーの指定する補修用エポキシ塗料で補修してください。
- ドラムの径以下の曲がりが加わらないようにしてください。
- 電気溶接及びガス切断は行わないでください。
また、鉄筋、鉄板等の電気溶接、ガス切断で発生する火花に接触させないでください。 - 長時間直射日光が当たらないように、屋内に保管するかもしくはシートを掛けてください。
- 油等の汚れや異物が付着した場合は、定着性能及びコンクリートとの付着性等に影響する可能性があるため、除去してください。
- 紫外線を直接受ける環境下においてはエポキシ被覆単体で使用しないでください。
- プレテンション材として使用する際には、コンクリート温度65℃以下で張力解放を実施してください。
- ご使用に際しては取扱要領書をご参照ください。