絶縁トロリー選定のポイント
絶縁トロリーの定格電流を負荷容量から設定する方法
絶縁トロリーの定格電流から負荷容量を設定するには次のように計算し、これより大きな容量を有する絶縁トロリーを選定してください。
1.電動機負荷の場合
- I:絶縁トロリーの定格電流
- Im:電動機負荷の全負荷電流
- Ir:電動機以外の負荷
- Im<50Aのとき I=Im×1.25以上
- Im>50Aのとき I=Im×1.1以上
2.電動機以外の負荷(溶接機を除く)の場合
3.電動機負荷と電動機以外の負荷(溶接機を除く)とが共存する場合
- Im<Irのとき I=(Im+Ir)×1以上
- Im>Irで Im<50Aのとき I=(Im×1.25+Ir×1)以上
Im>50Aのとき I=(Im×1.1+Ir×1)以上
4.クレーン、ホイスト等の間欠負荷の場合
- I=主巻上モーター電流+1/2(補巻上+走行+横行)モーター電流
電圧降下の計算方法
絶縁トロリーの恒長が長い場合、給電点位置から離れたところでは電圧降下により電動機や他の負荷に好ましくない影響が出ます。このような場合は、給電点の位置を絶縁トロリーの中央に施設するか、給電点ヶ所を増やすか、または定格電流の1ランク大きい絶縁トロリーを選定するなど設計上の考慮をしてください。
電圧降下計算式
- (3相の場合)
ΔV=√3・I(Rcosθ+Xsinθ)L
- (単相の場合)
ΔV=2・I(Rcosθ+Xsinθ)L
-
- ΔV
- :電圧降下(V)
- I
- :通電電流(A)
- R
- :交流抵抗(Ω/m)
- X
- :リアクタンス(Ω/m)
- cosθ
- :負荷力率
- L
- :絶縁トロリーの長さ(m)
絶縁トロリーの電圧降下率は内線規定に従ってください。
亘長が60mを超える場合の電圧降下
供給変圧器の二次側端子又は
引込線取付点から最適端の負荷に
至る側の電線の亘長(m)
|
電圧降下(%) |
電気使用場所内に
設けた変圧器から
供給する場合
|
電気事業者から
低圧で電気の供給を
受けている場合
|
120以下 |
5以下 |
4以下 |
200以下 |
6以下 |
5以下 |
200超過 |
7以下 |
6以下 |
ホイスト・クレーンの必要電流容量
絶縁トロリーの電流容量の参考値を以下に示します。
ただし、負荷電流の計算条件は3相3線式200V、負荷力率0.8、負荷効率0.9。
ホイスト
種類/
定格荷重(t) |
電動機容量(kw) |
電流容量(A) |
巻上 |
横行 |
1 |
2.2 |
0.4 |
9.6 |
2 |
3.7 |
0.75 |
16.3 |
3 |
5.0 |
0.75 |
21.6 |
5 |
7.7 |
0.75 |
32.4 |
7.5 |
8.5 |
0.75 |
35.6 |
10 |
12.0 |
0.75 |
49.6 |
15 |
17.0 |
1.5 |
71.2 |
20 |
23.0 |
1.5 |
95.2 |
天井クレーン
種類/
定格荷重(t) |
電動機容量(kw) |
電流容量(A) |
主巻 |
補巻 |
横行 |
走行 |
2 |
7.5 |
− |
2 |
7.5 |
50 |
3 |
10 |
− |
2 |
7.5 |
50 |
5 |
15 |
− |
2 |
10 |
85 |
7.5 |
20 |
− |
3 |
15 |
120 |
10 |
20 |
10 |
3 |
15 |
140 |
15 |
30 |
10 |
5 |
15 |
180 |
20 |
30 |
15 |
5 |
20 |
200 |
25 |
40 |
15 |
7.5 |
30 |
265 |
30 |
40 |
15 |
7.5 |
30 |
265 |
40 |
50 |
20 |
10 |
40 |
340 |
50 |
50 |
20 |
10 |
40 |
340 |
|