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テープ電線は複数の平角導体を絶縁体でラミネートし、薄肉化、集合配線を実現した平型の配線材で、ソケット型コネクタへのワンタッチ実装が可能です。
プリンターのヘッド部分やCDドライブのピックアップなど機器内部の可動部分に用いられるテープ電線には導体断線に対する摺動耐久性が求められます。
摺動部では曲率Rに応じて、導体の内径と外径の差(ひずみ)が生じます。
これにより、外側に引張応力が、内側に圧縮応力が作用し、特に局所的にRが小さくなり応力が集中すると、ひずみの増加とともに導体に作用する応力も大きくなります。
このひずみによる応力が導体断線の主要因と考えられています。
摺動特性を向上させるための最大のポイントは、導体上に発生するこの応力をいかに抑え、かつ局所的な集中を防ぐかということです。
テープ電線は導体屈曲内径Aと導体屈曲外径Bがより近いほど、導体に生じるひずみと応力が小さくなり摺動寿命が向上します。
絶縁体の厚みを薄くすると導体に生じるひずみを小さくする効果があります。
住友電工では絶縁体、導体の開発やテープ電線の生産技術、設備技術の開発を通して絶縁体厚を3分の1以下に、導体を4分の1にそれぞれ薄肉化することを実現し、耐久性を大幅に向上させました。
また高い温度環境における耐久性も実現しました。 常温での導体との接着性と加工性を目的とした従来の接着剤では高温での性能が落ち、温度が上がるにしたがって絶縁体にたるみやひずみが生じ、局所的に導体への負担が大きくなっていきます。
やがて導体は金属疲労により断線してしまいます。
「テープ電線としての加工性を損なうことなく、温度に依存しにくい絶縁材料の開発」この難題に対し、わたしたちはこれまでに培ってきた配合技術やシミユレーション技術を駆使し、開発に成功、特許を取得しました。
ますます小型化が進む電子機器の流れの中で、テープ電線にはより高度な耐久性が求められています。 住友電工は、これからもニーズに応える低コストでより耐久性の高い製品開発を行っていきます。