IR説明会

先日、2018年度の決算を終え、IR説明会を実施いたしました。
まず2018年度の連結決算ですが、売上高は3兆1,780億円と増収を確保したものの、営業利益1,663億円、経常利益1,886億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,181億円と、損益面ではいずれも減益となりました。

上期は概ね堅調に推移したのですが、下期に入り、中国や欧州などで自動車生産が減少し、スマートフォンの世界的な販売不振など、他の事業を含め徐々に減退し、価格低下や米中間の追加関税などのコスト上昇などが影響し、過去最高益の更新をめざして頑張ってきたわけですが、残念ながら未達となりました。

自動車のCASE対応など将来に向けた研究開発費の増加も減益要因の一つです。世界中で従来の競合企業のみならず、事業の枠を越えて新製品の開発に取り組んでいる環境下、甘くはありませんが、将来に見返りとして戻せるよう、新製品を送り出していかなければなりません。IR説明会の中で投資家の皆さまからも、自動車関連事業に限らず「将来どうなるのか」を多くご質問いただきました。今の段階で具体的な話ができないのが苦しいですが、自動車を含め変わりゆく社会の中で当社の製品が貢献できるよう、研究開発活動を強化し、成果につなげて参ります。

さて、2019年度については売上高3兆2,000億円、営業利益1,670億円といずれも微増の予想を発表させていただきました。しかしながら、足下は米中の貿易摩擦問題に加え、米国とメキシコとの関税リスクが発生してくるなど予断を許さない状況が続いております。状況を注視して、将来を見据えた最適な対応を取っていく所存ですが、世界経済に与える影響は計り知れず、早めに収束してくれることを祈るばかりです。第5世代移動通信システム(5G)の整備など、当社にとって明るい話題もあり、公表値を確実にクリアできるよう取り組んで参ります。

我々としては、愚直にSEQCDD(安全、環境、品質、コスト、物流・納期、研究開発)に力を入れ、外部の環境変化の中でも、強靭な企業体質を作ることが何より大切であるとの認識の上で、グループ全社員一丸となって、社会に貢献できる製品を創り出すべく努力いたしますので、今年度も引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

IR説明会の様子
IR説明会の様子