10月14日に、伊丹製作所の研究新館「CRystal Lab.」の開所式に参加してきました。
伊丹製作所は、当社でも大阪製作所に次いで長い歴史を持つ事業所で、来年で開所80周年を迎えます。切削工具や焼結合金、特殊線などの非電線事業の本拠地であり、ここで長い年月をかけて積み重ねてきた研究開発の成果が、現在の製品に反映されております。また、化合物半導体やマグネシウム合金など、他社にない独自性を持った製品も伊丹製作所内で研究開発を進めてきました。
「CRystal Lab.」は、当社の120周年記念事業の一環として建設を進めてきた新研究棟です。建物の老朽化が進んだことや、製作所内に研究施設が分散しており、非効率な面があったことから、新棟を建設して各研究所を集約しました。名前の「CRystal Lab.」は、「英知が『集積』して、強く結びついて『結晶化』された技術となり、多くの人を『魅了』して次のイノベーションを創出する」ような、知の循環型開発拠点にしたいという思いを、「クリスタル(結晶)」に込めて命名されました。「クリスタル」は、当社の合成ダイヤモンド単結晶「スミクリスタル」の名称にも含まれており、材料・素材の研究開発の拠点である伊丹製作所に馴染み深い言葉でもあります。また、「R」を大文字として冒頭を「CR」としておりますが、これにも「研究開発において重要と考える3つのCR」すなわち、「Championship Record(ダントツ、世の中を牽引する技術・製品の創出)」、「Cost Reduction(常にコストを意識した研究開発)」、「Connected Research and development(つながる研究開発)」の意味があり、非常にたくさんの思いが、この「CRystal Lab.」に込められております。
開所式は、始めに神事を執り行いました。伊丹製作所に勤務する役員や関係上長、労働組合関係者の皆さん、建設を担当頂いた企業の皆さんなどが参列する中、神官にお越しいただき、「CRystal Lab.」の発展を祈って祝詞(のりと)をあげていただきました。
神事の後は、テープカットを行いました。秋晴れの晴天に恵まれ、とても心地よい空気のなか、「CRystal Lab.」開所のスタートを切りました。
テープカットの後の内覧会では、各階を案内してもらいました。明るく開放的な雰囲気で、上の階からは、大阪本社のある大阪市街や六甲の山並みが一望できました。
また、1Fには、各研究所で研究開発した製品などを展示するショールームがありました。中には、人工ダイヤモンドで氷を切るコーナーのように、製品の素材性能を体感できるコーナーもありました。指先で持ったダイヤモンドに体温が伝わり、その熱で氷が素早く切れてしまうというもので、金属やガラスではこうはいきません。私も改めて、ダイヤモンド製品の特長である優れた放熱性を実感しました。
当社は毎年、1,000億円を超える金額を研究開発に投資しております。当社の今日があるのも、研究開発の重要性を認識した上で、長年にわたって成果を積み上げ、世界トップクラスの数々の製品を世に送り出してくることができたことが、大きな要因の一つであると考えます。これからも、いろいろな新製品の研究開発を進め、将来にわたって世の中に貢献し続けることができる、より強い体質の会社を作っていきたいと考えています。そのための、新しい拠点として「CRystal Lab.」に大いに期待しています。
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