2010年1月、今後急速な進展が予想される再生可能エネルギーの利用拡大と電力インフラ分野の 技術変革に対応する研究開発を手がける「パワーシステム研究所」がWinD Lab内に誕生しました。 クリーンなエネルギーの効率的な供給システム「スマートグリッド」をはじめ、 エネルギー・環境技術を軸に新事業と新市場の開拓に挑む研究活動について所長の伊藤が語ります。
産総研との協力協定締結
薄膜超電導線材
パワーシステム研究所 機器・システム部長 弘津 研一
パワーコンディショナーの一種である「多機能インバータ」の研究開発を担当しています。これは太陽光発電の発電施設には欠かせないもので、現在世界の需要に供給が追いついていない状態と言われています。日本政府は2020年までに太陽電池2,800万kWを全国に設置する方針を打ち出しました。また海外で大規模な太陽光発電施設の建設計画も進んでおり、今後もニーズの拡大が予想されます。私たちは独自の技術でこれまでにない情報通信機能と電圧調整機能を付加し、また新素材の適用で機器の長寿命化と小型化を目指しています。電力インフラは情報機器などと違い、20年〜30年という長いスパンにわたって使用され、社会の基盤となるものです。導入後の失敗が絶対に許されないだけに、製品化にいたるまではまだまだ耐久性や信頼性の慎重な検証が必要です。環境負荷の少ないエネルギーの効率的な流通に一日でも早く貢献したい。その思いを胸に、これからもスピード感を持って努力していきたいと思っています。