プレスリリース
レンズ結合型の多心シングルモード光ファイバコネクタを開発
2015年3月17日
住友電気工業株式会社
当社は、シングルモード光ファイバを超多心で接続可能、かつ耐ダスト性を持ち合わせた新しい光コネクタ技術を開発しました。この成果を2015年3月に米国ロサンゼルスで開催される世界最大規模の光ファイバ通信の国際会議「OFC2015」にて発表するとともに、併設される展示会において、32心のシングルモード光ファイバコネクタを展示します。 p>
インターネット上で流通する情報を扱うデータセンター*1 では、近年の急激なデータ通信量の増大に伴い大規模化が進んでおり、センター内に張り巡らされた光ファイバ配線に、より高速大容量かつ長距離でデータ伝送することが求められています。光ファイバには主に長距離伝送、大容量伝送に適したシングルモード(SM)*2 タイプと、短距離伝送に適したマルチモード(MM)*3 タイプがあります。現在データセンター内の光配線の大半はMM光ファイバですが、データトラフィック増大に伴い、今後SM光ファイバの導入が進むものと予想されます。 p>
現在、光ファイバ配線をIT機器に接続する多心コネクタには、主にMPOコネクタ*4 が用いられています。MPOコネクタは、光ファイバの端面間に押しつけ力を掛けることで、光が伝送される部分であるコア同士を直接物理的にしっかり接触させるフィジカルコンタクト(PC)接続技術をベースとしています。しかしながら、SM光ファイバのコア部分のビーム直径がわずか0.01mmと小さく、この部分にダストが付着すると損失が生じることから、コネクタ端面に付着したダストを事前に念入りに取り除く必要がありました。また、今後心数が増えるに従いPC接続のために更に強い押しつけ力が必要となるため、着脱作業が難しくなるとともにコネクタの耐久性の低下が問題となります。 p>
今回開発したレンズ結合型のSM多心光コネクタは、レンズでビーム径を拡大することでダストの影響を少なくし、さらにコネクタ間を非接触にすることで、コネクタ接続時の押しつけ力を大幅に低減しました。
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<本コネクタの主な特長>
- 1. 残留ダストの影響が少ない
コネクタから出射されるビームの径はレンズで約5倍に拡大されているため、コネクタ端面の清掃後に細かなダストが残留しても、ビームへの影響を抑えられます。 p>
- 2. 清掃が容易
表面がフラットなレンズを用いているため、凹凸のあるレンズに比べてダストを容易に除去できます。 p>
- 3. 押しつけ力が小さく着脱が容易
コネクタから出射されたビームは一旦空間上を伝搬してから相手のコネクタに再度結合します。したがってコネクタ端面間は非接触で、心数が増えても押しつけ力を増やす必要がなく、PC接続で実現困難な超多心にも対応可能です。 p>
OFC (Optical Fiber Communication Conference) 2015展示会の概要
会期 | 2015年3月24日(火)~26日(木) |
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会場 | 米国カリフォルニア州ロサンゼルス、 Los Angeles Convention Center |
ブース番号 | 1625 |
公式サイト | http://www.ofcconference.org/en-us/home/ |
以上