プレスリリース
欧州向け±400kV 直流XLPE海底ケーブルシステムを受注
2015年6月 8日
住友電気工業株式会社
当社の100%子会社である株式会社ジェイ・パワーシステムズ(以下、JPS)は、英国National Grid社とベルギーELIA社の合弁会社であるNEMO Link Limited社から、両国を結ぶ高圧直流送電ケーブルシステムを受注いたしました。
本プロジェクトは、英国南東部のケント州と、ベルギーのゼーブルージュで建設が予定されている交流直流変換所を結ぶ連系送電線の建設プロジェクトで、全長は141.5km(海底区間130km、陸上区間11.5km)となります。設計、調達、建設を含むEPC契約(*1)となり、プロジェクト総額は約700億円です。
そのうち、JPSは、直流XLPE(*2)絶縁ケーブルでは世界最高電圧となる±400kVクラスのケーブルの設計・製造を担当し、工事・竣工試験・試運転を経て、2019年に引き渡す予定です。
高圧直流海底・陸上ケーブルは、特に洋上風力発電所や国家・地域間連系線の建設が活発化している欧州及び北米で需要が急増しており、XLPEケーブルは、従来の油絶縁式ケーブルと比較して許容運転温度が高い点と環境保全性に優れている点から近年採用が加速しています。
JPSでは世界トップの性能と汎用性を持つXLPE絶縁材料の開発に成功、北海道と本州を結ぶ既設の連系送電線に追加敷設され、2012年から直流250kV/300MWの送電を開始しています。既に500kVまでの高電圧化開発も完了していることが高く評価され、本プロジェクトへの採用に至りました。また、JPSの製品特有のメリットとして、ケーブルをコンパクトにできる点、過負荷運転時や運用中の土壌熱条件の経年変化に対する運転温度の裕度がある点、また極性反転(*3)に対応した双方向のシステムの運転が可能である点も評価されています。
JPSは本プロジェクト以外に、欧州向けの海底送電ケーブルを3件受注しており、このたびの受注は、欧州の最重要社会インフラの一部である国家間の連系線建設に、アジアのケーブルメーカーが初めて採用されたという点で意義が大きく、お客様の信頼を得るべく、納期・工期を遵守し、完工に向けた取り組みを継続いたします。
▲ 400kV直流架橋ポリエチレンケーブル
▲ 本プロジェクトにおける高圧直流送電ケーブルの敷設ルート
株式会社ジェイ・パワーシステムズの概要
商号 | 株式会社ジェイ・パワーシステムズ |
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本社所在地 | 東京都港区元赤坂1丁目5番12号 住友不動産元赤坂ビル6階 |
代表者 | 代表取締役社長 福永 定夫 |
事業内容 | 送配電用電力ケーブル、架空送電線及びそれらの付属品など関連システムの研究、開発、設計、製造、販売、工事、及び輸出 |
資本金 | 8,000百万円 |
設立年月日 | 2001年7月3日 |
以上