プレスリリース
社長年頭挨拶(社員向け挨拶要旨)
2016年1月 4日
住友電気工業株式会社
社長 松本 正義
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本日は、仕事始めにあたり、
- 住友事業精神を、仕事の根本に据える
- 目標達成に向けて、周到に準備する
- SEQCDD の活動を具体的に「やり切る」
という3点を皆さんにお願いしたいと思います。
- 1. 住友事業精神を、仕事の根本に据える
昨今、大企業における不祥事が相次いでおりますが、このようなことはステークホルダーに大きなご迷惑、ご心配をおかけするとともに、当社グループのように世界中で事業展開をしている企業においては、小さなミスや過ちであっても、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。小さなミスや過ちが、会社の存立を脅かす事態にすらなり得るということを、私たち一人ひとりが認識しなければなりません。
仕事に取り組むにあたっては、この仕事はどうして必要なのか、なぜこのような条件が設定されているのか、といった仕事の本質を忘れないようにして下さい。業務の効率化を進める際にも、効率化と引き換えに仕事の本質が失われてはなりません。
また、業務フローの中にチェックと牽制の機能を組み込み、正しく運用するようにして下さい。管理項目が増える場合もあるかもしれませんが、お客様を守り、職場を守り、そして皆さん自身を守るためにも必要なことであります。
そして、最も大切なことは、そもそもミスや不正などを起こすことのないように、萬事入精、信用確実、不趨浮利といった私たちの事業精神を改めて心に刻む、ということであります。住友事業精神に恥じないよう胸を張って日々の仕事に取り組むことが、コンプライアンスにもつながります。
- 2. 目標達成に向けて、周到に準備する
新しい課題に挑戦する時、目標に向かって、どのようなスケジュールで進めるのか、どういうステップを踏んでいくのか、どのようなリスクが想定され、どうやって最小限に留めるのか、周到に計画して下さい。雰囲気や勢いだけで事を進めるのではなく、個人でも組織でも、目標管理をきっちり行うということです。
もちろん現実には、すべてが計画通りに運ぶことはほとんどないでしょう。あらかじめ想定していたリスク以外の事態も発生します。想定外の事態に直面しても焦らず、三現主義で情報収集して事態を客観的に把握し、最適解をスピーディーに見出す努力をして下さい。
しかし、「言うは易く、行うは難し」であります。同質的な組織では、どうしても視点が乏しくなり、創造的なアイディアが生まれにくいと言われます。「周到に準備」するためには、さまざまな視点から検討することが必須であり、そのためにも社内をダイバーシティ(多様性)に富んだ組織にしておかなければなりません。
さまざまな人と働き、異なる価値を認め合うことができるようになれば、当社グループのビジネスの可能性はもっともっと広がるであろうと信じております。
- 3. SEQCDDの活動を具体的に「やり切る」
安全・品質の活動は、単にスローガンを唱えることではなく、安全や品質の担当者だけが一所懸命、活動すればよいというものでもないということは、皆さんも十分承知していると思います。安全・品質について掲げた方針と目標を、それぞれの職場でブレイクダウンして、具体的な活動に落とし込んで下さい。そして、活動をメリハリのあるものにするために、ひと工夫もふた工夫も加えて、不具合対策などを全員参加で「やり切る」ことをお願いします。
世界経済においては、中国および新興国の景気減速による影響が引き続き懸念されており、先行きには不透明感が強まっています。また国際政治の面でも、過激派組織IS(イスラミックステート)の問題など難問が山積しており、これらが経済にどのように影響するのかは予断を許しません。円安の影響で一息ついた感もある日本経済ですが、企業の設備投資は伸びず、また個人消費も伸び悩むなど、実態としては足踏み状態が続いております。
このような難しい環境であっても、私たちは17VISIONを達成し、当社グループの持続的な成長を図り、グロリアス・エクセレント・カンパニーの実現を目指さなければなりません。そのためには、皆さん自身が、本日お願いした事柄にしっかり取り組んでください。
以上