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プレスリリース

光産業技術振興協会「第31回櫻井健二郎氏記念賞」を受賞
「海底ケーブル用極低損失光ファイバの開発と実用化」に対して

その他

2016年1月28日
住友電気工業株式会社

このたび、当社の「海底ケーブル用極低損失光ファイバの開発と実用化」に対する取り組みが高く評価され、一般財団法人光産業技術振興協会より「第31回櫻井健二郎氏記念賞」を受賞しました。

櫻井健二郎氏記念賞は、一般財団法人光産業技術振興協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業および技術の振興と啓発を図ることを目的として1985年に創設された賞です。表彰は年1回行われ、過去30回の表彰で、23名の個人、34のグループの合計57件、延べ134名が受賞しています。

今回の受賞内容は下記の通りです。

1. 受賞者
平野正晃、山本義典、田村欣章、川口雄揮(光通信研究所)
2. 受賞題目
「海底ケーブル用極低損失光ファイバの開発と実用化」
3. 受賞の概要
受賞者らは、光ファイバの伝送損失を低減する技術開発の結果、長距離・大容量伝送に適した極低損失光ファイバを実現し、商用への導入を可能としました。

当社は1988年に世界に先駆けて低損失な純シリカコアファイバ*1の量産製造に成功して以来、約30年に亘って開発と製品供給を行ってきました。受賞者らは、純シリカコアファイバのレイリー散乱損失*2をさらに低減することにより、伝送損失の最小値が0.149 dB/km、平均値が0.154 dB/kmという極低損失純シリカコアファイバの量産製造に2013年に成功しました。これは、当時の研究レベルでの世界記録を更新したのと同時に、製品レベルでは、現時点でも世界で最も低い伝送損失を誇るものです。

開発した極低損失光ファイバは、「Z-PLUS Fiber® ULL」および「Z-PLUS Fiber®130 ULL」として2013年に製品化され、出荷を開始しました。ファイバ1本あたり10Tb/s以上という大容量伝送が可能な大洋横断光海底ケーブルなど、複数の光海底ケーブルプロジェクトで既に採用されており、グローバルな光通信システムの大容量化に貢献したものと考えています。

受賞者らが開発した技術は、指数関数的に増大するインターネット通信需要を満たす上で不可欠なものとなっており、今後の光産業発展に大きく寄与するとして評価されたものです。

この受賞を励みとし、当社はこれからも、社会の発展に貢献できるよう、研究開発・製品開発に取り組んでまいります。

以上

Z-PLUS Fiber® 130 ULL

Z-PLUS Fiber® 130 ULL

*1 純シリカコアファイバ:
コアと呼ばれる中心部に、純シリカ(SiO2)を用いている光ファイバ。汎用シングルモードファイバでは、コアの屈折率を上昇させるためにGeO2が添加されているのに対して、純シリカコアファイバはコアに不純物を含まないため、伝送損失を本質的に低くすることができる。

*2 レイリー散乱損失:
光の波長よりも短い周期での屈折率の揺らぎによって生じる光の散乱損失であり、添加物の組成揺らぎやガラスの密度揺らぎに起因する。光ファイバの伝送損失の主要因の1つ。

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