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プレスリリース

高精度加工用新材種「AC1030U」を開発、発売

製品・技術情報

2016年10月31日
住友電気工業株式会社

当社は、自動車、IT・エレクトロニクス、医療などでの小物機械部品において、高精度で美しい仕上げ加工を実現し、加工の安定性と長寿命を可能とした、新PVD*コーティング材種「AC1030U」を開発し、2016年11月より発売します。

AC1030Uシリーズ

AC1030Uシリーズ

自動車産業をはじめとする小物機械部品加工においては、加工能率を維持・向上させるとともに、フリクション低減、耐摩耗性向上、高強度化などの要望がますます高まっています。また、これらに加え、省人化(自動化、無人化)のため切削加工時に突発的なトラブルを起こさない安定した工具寿命も求められています。

これらの要望に応えるべく、当社は高精度加工において幅広い用途に適用でき、かつ安定長寿命化を実現する「AC1030U」を開発しました。長寿命化による工具使用量と工具交換頻度の低減、高能率化による加工時間短縮が可能となり、加工コストの削減に大きく貢献します。本製品の特長は以下の通りです。

1. 特長
  1. チップブレーカの研磨加工品位を向上させるとともに、高密着で平滑な被膜を切れ刃稜にコーティングすることで鋭利な切れ刃状態が長期に維持でき、使い始めから寿命に至るまで加工面にむしれなく抜群の加工面品位が得られます。
  2. 当社独自のアブソテックテクノロジー「アブソテック ブロンズ®(Absotech Bronze®)」を採用することで、従来比2倍のコーティング密着力を実現。密着力の大幅な向上により合金鋼やステンレス鋼、耐熱鋼、純鉄などの様々な被削材、また様々な切削条件における微細加工において、溶着による膜剥離、さらに溶着が起因のチッピングが大幅に抑制されます。
    合わせて、新開発の強靭性均粒超硬母材の採用により、高精度加工に適用するシャープな刃先と高い刃先強度を両立しました。これらによって、従来材種比で安定して2倍以上の寿命を実現します。
  3. 切りくず処理性に優れた「仕上げ切削用ブレーカFYS型」を新たに開発・ラインナップいたしました。仕上げ切削用ブレーカFYS型は、FY型に比べブレーカ幅を狭くすることで、切りくず処理性を向上させ、従来切りくず処理が困難と言われる純鉄や軟鋼などにおいても安定した加工を実現します。
2. ラインアップ
ISOポジチップ 304型番(新設FYSブレーカ42型含む)
溝入れ・突っ切り 69型番
極小径ボーリングバイト 36型番
合計 414型番
3. 販売計画

初年度1.2億円、3年後10億円/年

4. 標準価格

当社従来品と同設定。型番により標準価格(定価)が異なります。
(標準品) AC1030U: TPGT110304L-FX・・・1,200円(税込1,296円)


* PVD (Physical Vapor Deposition):
物質の表面に薄膜を形成する蒸着法のひとつで、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する方法。

以上

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