プレスリリース
国内最大の風力発電向け送変電設備と工事を受注
2018年5月16日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、鹿島建設株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:押味至一)より『ウィンドファームつがる建設工事』の送変電設備および工事を受注しました。本プロジェクトは、再生可能エネルギー事業者大手の株式会社グリーンパワーインベストメント(本社:東京都港区、代表取締役社長 坂木 満)が青森県つがる市にて計画する国内最大規模(発電容量約122MW、風車38基)の陸上風力発電事業です。当社は地中送配電線・受変電設備など電気設備の設計・製造・据付を一括で担当します。
近年、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が進んでおりますが、案件の大規模化により大容量・長距離送電に伴う対応が必要となっています。本プロジェクトにおいて当社は計画初期より参画し、以下に代表する各種課題に対し、住友電工グループの日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄 以下、日新電機)、住友電設株式会社(本社:大阪市中央区、社長:坂崎全男 以下、住友電設)と解決に取り組みました。
- 効率的な送配電圧の選定
本プロジェクトは、各風車からの発電電力を33kVの地中配電線で集電し、154kVに昇圧した後、電力会社との系統連系地点までの約34kmを地中送電する設計です。長距離送電では送電ロスが課題となります。当社はこれまで培ってきた実績と知見から、当初予定されていた66kV送電から154kV送電への電圧変更について設計支援し、その実現に貢献。66kV送電時と比較して送電ロスが大幅に低減でき、加えて回線数の低減およびケーブルの小サイズ化(軽量化)により管路土木工事への負担軽減にも寄与しました。 - 系統技術課題への対応
約122MWとなる大容量の発電出力を長距離地中送電するために、高調波対策や過電圧対策など系統技術課題への対応も必要でした。これらの課題に対しては、当社グループ会社の日新電機と共に系統解析を実施し、最適な設備形態の提案をしました。日新電機では受変電機器はもちろん、高調波電流対策に用いる交流フィルタのトップメーカーとして系統技術課題を解決する各種機器を提供します。 - 送配電ルート選定
同じくグループ会社の住友電設とは、送配電ケーブルルート選定における課題を解決しました。集電・送電合わせて56kmもの長距離かつ公道での地中埋設管路計画に対し、適正ルートを選定するための調査や、許認可取得のための協議、各種申請書作成の助勢を実施し、管路土木工事の検討を推進しました。
以上の課題解決に加え、電圧を問わず送~配電ケーブルの対応が可能な当社の充実した製品ラインナップや、2019年秋の試運転開始まで実質2年以下の短工期を実現する国内随一の製造・施工能力も寄与し、受注に至りました。今後2020年4月の運転開始を目指し、高品質な設備の納入に取り組んでまいります。
当社グループでは発電から需要家に至るまで、送配電設備はもちろん受変電、蓄電などのあらゆる電力設備におけるトータルソリューションに注力し、今後さらに加速するであろう再生可能エネルギーの導入やスマートエネルギー社会の実現に貢献します。
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以上