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プレスリリース

低損失大口径ファイバを使用した陸上用光ファイバケーブルを大手通信事業者の基幹伝送路に納入開始

製品・技術情報

2018年5月22日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、純石英コア低損失大口径ファイバ「PureAdvance®-110」を使用した陸上用光ファイバケーブルを開発、世界で初めて*1商用として大手通信事業者の基幹伝送路向けに採用され、4月に納入を完了しました。

第5世代移動通信システム(5G)への移行や映像情報の増加による基幹系の容量増に対応するため、効率的に信号の伝送が可能な光ファイバケーブルのニーズが増えています。このニーズに応えるべく、当社は純石英コア低損失大口径ファイバ「PureAdvance®-110」を使用した陸上用光ファイバケーブルを開発しました。

本ケーブルは、100Gbps以上の伝送容量を有するデジタルコヒーレントシステムでの長距離伝送に適しており、高出力の光信号が入力可能なことから、①伝送距離の延長が可能(図1)、もしくは②光増幅器(光アンプ)の設置個数の削減による通信ネットワークの構築費用の低減が可能(図2)となります。

光アンプの設置間隔を同一にした場合

伝送装置間隔を同一にした場合

本製品には、当社が永年培ってきた純石英コアの技術が活かされた光ファイバ「PureAdvance®-110」が採用されています。純石英コア低損失大口径ファイバは長距離・大容量伝送に優れ、従来海底ケーブルに使用されていましたが、このたび、陸上用ケーブルにも適用しています。伝送波長1550nm超に特化したファイバの規格ITU-T*2.G654.Eに準拠しているほか、以下の特長を有します。

(1)コア断面積(Aeff)が110μm2と大口径で伝送容量を実現しました。一般的なファイバのAeff 80μm2を上回るAeff 110μm2を採用。Aeffが大きくなると、光ファイバを曲げた際に発生する伝送損失(曲げ損失)が増加する傾向にあり、ケーブル化後に低損失を維持することが困難ですが、業界随一を誇る当社のテープスロット型技術を用いたことで、ケーブル化後でも0.17dB/km(典型値)の極低損失を実現しました。

日本国内で広く一般的に使用されている4心テープスロット型ケーブルで、心線最大200心まで提供が可能です

(2)日本国内で広く一般的に使用されている4心テープスロット型ケーブルで、心線最大200心まで提供が可能です。なお、4心テープ心線での一括接続でも通常ファイバと同等の接続損失を有しており、一括接続による接続作業時間の削減によるネットワーク構築費用及び構築期間の低減も可能となっています。 また、テープ周囲にジェリー充填を必要としない吸水テープを使用した防水構造(WB:Water Blocking構造)でのケーブル化を可能とし、取扱い性も向上させました。

今回販売を開始したスロット型ケーブル以外でも、今後お客様の要望に従った心数及びケーブル型式でも販売予定です。


*1 当社調べ

*2 ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) は、国際電気通信連合の部門の一つで、通信分野の標準策定を担当する「電気通信標準化部門」

以上

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