プレスリリース
畜産環境整備機構と共同で畜産排水処理用途に適した外付け式の簡易型ポアフロン®MBR装置を開発
2018年5月30日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、一般財団法人畜産環境整備機構の畜産環境技術研究所(所在地:福島県西白河郡西郷村、以下 畜環研)と共同で、既存の養豚用浄化槽に外付け可能な簡易型ポアフロン®MBR*
装置を開発しました。本年9月から、畜産農家などの一般向けに販売開始予定です。従来、畜産排水などの有機成分を含む排水の処理には、活性汚泥法とよばれる方法が採用されてきましたが、排水水質や汚泥の性状によって分離性能が不安定で、処理水とともに汚泥が流出するなど、維持管理が難しいという課題があります。一方、その解決策として、活性汚泥槽内にろ過膜モジュールを沈め、汚泥などを分離する方法(MBR)も一部で使用されていますが、膜モジュール設置のための改造工事や、高い汚染度の排水を運転管理する難しさが課題となり、普及が進んでいないのが現状です。
このたび、当社は畜環研と共同で、ケース内に多数の膜を束ねて収納したケーシング型のポアフロン®水処理膜*
モジュールを使用することで、既存設備をそのまま使用でき、短工期で稼働後の維持管理も容易、かつ装置構造がシンプルな簡易型ポアフロン®MBR装置を開発しました。日本中央競馬会の畜産振興事業の助成を受け、畜環研が実施した養豚場の汚水処理実証試験では、簡易型ポアフロン®MBR装置による安定した汚水の処理性と装置の操作性の維持、細菌・原虫の除去などの衛生面での向上が確認され、簡易型ポアフロン®MBR装置の汚水処理に対する適合性と、その性能が実用レベルに到達していることが実証されました。
本年9月からは、簡易型ポアフロン®MBR装置を畜産農家などの一般向けにも販売を開始する予定です。なお、簡易型ポアフロン®MBR装置は、畜産排水だけではなく、下水処理や各種工場排水の処理など、幅広い下排水処理に利用できます。
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簡易型ポアフロン®MBR装置の主な特長
- 外付けなので既存設備の改造が不要で、設置工事が短工期。
- 優れた親水性を付与したPTFE(四フッ化エチレン樹脂)製の中空糸膜* を採用しており、汚れにくく安定した処理が可能。
- PTFE製中空糸膜は高強度で膜破断リスクが低く、長寿命。
- 特殊な前処理機構の採用により豚毛などの夾雑物が詰まりにくく、清掃が容易。
- 標準的なMBR対比で薬品使用量が少なく、高濃度洗浄による性能回復も可能
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当社ポアフロン®水処理膜ホームページ:https://sei.co.jp/products/poreflon/
以上