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プレスリリース

"太陽光発電所の発電量を最大化" AIを搭載した異常検出装置の開発を完了

製品・技術情報

2018年12月25日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、太陽光発電所向けストリング監視システムと連携し、AI*1で発電低下をいち早く検出し、発電量を最大化するデータ蓄積・解析装置の開発を完了しました。2019年4月より出荷開始予定です。

近年国内で建設が進む太陽光発電所は、設置後20年以上稼働しますが、長期に発電量を安定して維持するには、発電低下を引き起こす各種異常を即座に検知し正常に復旧させることが非常に重要で、一般的には、異常検知するための「監視システム」が導入されています。

これまでの一般的な監視システムは、主に閾値*2により発電が低下しているかどうかを判定していました。例えば発電量が一定値を下回ると異常と判断し、太陽光発電の管理者に通知される仕組みとなっています。しかし、発電量は、季節、時間帯、設置地域のほか、発電所の周囲環境などさまざまな要因に依存するため、単なる閾値判定による判断では信用性に乏しく、また判定後も人間による分析・判断が必要となり、運用に経験値と労力が必要でした。

そのような背景から、当社は計測したストリング電力値を、AIを用いて異常判定し、その異常原因を緊急度別に通知する、ストリング監視システムを開発いたしました。発電低下を捉えた際に、その原因(ヒューズやブレーカなどの異常か、木や草の影か、太陽光パネル自身の劣化か等)を特定し、さらにその異常を緊急度別に通知します。異常判定は太陽光発電の最小単位であるストリングごとに行い、発電所の全体地図上に異常個所を緊急度別に色で表示するため、異常個所の特定と現場作業者への正確な指示が可能になります。

当社の監視システムは、既設の電力線を通信回線として利用するPLC*3技術を採用するため、監視システムを導入する際に追加の通信線の布設工事を必要とせず、稼働済の既存発電所へも容易に導入可能です。今回開発した異常検出・通知装置の活用によって、異常を早い段階で高精度に検出、及び通知するため、太陽光発電所の運用管理コストの低減と発電ロスの最小化に貢献します。

本製品は2019年4月に製品発売を予定しております。是非導入をご検討ください。

ストリング監視システム

本製品の主な特長

  1. AIを用いた高度なストリング電流データ分析を行い、不具合要因を最大7つに振り分け、その重要度に従い通知します。
    7種類の発電異常
  2. 任意のメールアドレス宛に、日刊レポートメールをお送りします。
    その日に計測した不具合のほか、発電量などをビジュアルで分かりやすく示します。
    レポートメールイメージ
  3. 異常が発生しているストリングを発電所マップに重ね合わせて表示します。(オプション機能)
    以上ストリングマップ

※画面は開発中のものであり、実際の製品とは異なる場合がございます。


*1 AI:
人工知能 (Artificial Intelligence)

*2 閾値:
境界となる値

*3 PLC(Power Line Communication):
電力線を通信回線として利用する技術。当社製品は450kHz以下の周波数を用いる低周波PLCの技術を採用しており、DC線上にストリング電流測定データを重畳しています。

以上

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