プレスリリース
寒冷地用高難燃ケーブルを初めてトルクメニスタンに納入
2020年3月10日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下、当社)は、マイナス40℃の厳寒の環境下においても配線可能な寒冷地用高難燃ケーブルを開発しました。2016年に川崎重工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金花 芳則 以下、KHI)より受注したトルクメニスタンにある世界最大のガス・ツー・ガソリンプラント(以下、GTG)向けにて初めて寒冷地用高難燃ケーブルの採用を決め、当社グループPT. Sumi Indo Kabel Tbk.(所在地:インドネシア、社長:寺尾 俊彦 以下、SIK社)が製造し、納入を完了しました。2019年にGTGの運営が開始されて以降、当社の寒冷地用高難燃ケーブルが、厳寒の環境下でも問題なく稼働していることを受け、お知らせします。
今回、当社の寒冷地用高難燃ケーブルを採用したGTGは、トルクメニスタンの国営公社トルクメンガス(社名:State Concern "Turkmengas"、本社:アシュガバード市)が運営し、KHIとトルコの建設会社であるルネッサンス社(本社:アンカラ)のコンソーシアムが建設した、天然ガスを原料として年間60万トンの高品質ガソリンを製造する世界で唯一のプラントです。
このGTGが建設されたトルクメニスタンは、中央アジアの南西部に位置し、夏は40℃~50℃、冬は氷点下になり、季節間のみならず、日中と夜間との気温差が大きく、気候条件が非常に厳しい地域です。この様な厳しい環境下においてGTGの安全性を考慮して、ケーブルに要求された特性は、マイナス29℃の厳寒環境まで使用できる高難燃ケーブルでした。
そこで当社は、被覆材料の配合を工夫して新たなケーブルを開発しました。従来の高難燃ケーブルはマイナス15℃前後の環境下になると配線状態によっては、被覆が割れてしまう可能性がありましたが、本製品は、マイナス40℃の環境下においても被覆が割れず、高い難燃性(IEC 60332-3-24)を有しています。
当社およびSIKはこれまでもミャンマーのセメントプラントやシンガポールのトンネルにて使用される掘削機用ケーブルなど、様々な案件において、KHIに製品を納入しています。その実績に加え、高い品質および当社のニーズに合わせた製品開発力を評価いただき、約400km分の寒冷地用高難燃ケーブルの受注に至りました。
寒冷地用高難燃ケーブルは、GTG向けが実際に導入された初めての案件となりますが、本開発以降、ロシアやモンゴルなど、寒冷地のお客様からの関心が高く、採用を検討いただいております。当社は今後も、地域のニーズにあった質の高い製品の提供に努め、産業や経済の発展に寄与すべく、取り組んでまいります。
以上