プレスリリース
米国サンフランシスコにて送電網更新プロジェクト完工
~トリプレックス形 CEケーブルを設計・納入~
2020年7月16日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)およびSumitomo Electric U.S.A., Inc.(所在地:米国)は、米国Pacific Gas and Electric Company(以下、PG&E社)がサンフランシスコにて取り組む、老朽化した送電網の更新プロジェクト(San Bruno Interchange Project)向けに、当社が米国・日本で特許を取得した電力ケーブル(トリプレックス形CEケーブル*
)システムを設計、納入しました。竣工試験を経て本年5月16日にPG&E社に引き渡し、この更新プロジェクトが完了しましたのでお知らせします。本プロジェクトは、South San FranciscoからSan Brunoを経て、San Mateoへと繋がる送電線路のうち、既設地中送電区間(線路長約360メートル)の一部にて行われました。米国の既存送電網では、鉄管路の中に漏油問題が懸念されるHPGFケーブル*
が敷設されたパイプタイプケーブルシステムが使用されてきておりました。老朽化に伴いケーブルの更新が必要であるものの、当該ケーブルは既に製造企業がいない上、地中には水道・ガス管、通信ケーブルなども混在し、鉄管路の除去、新規敷設が非常に困難なため、既設の直径8インチ(約20.3cm)の鉄管路はそのまま活用し、新たに設計されたケーブルシステムに置き換える必要がありました。そのような課題がある中で、当社は本プロジェクトにおいて、現地のEPC事業者*
新しく採用するケーブルとして、当社が米国・日本で特許を取得しているトリプレックス形CEケーブルを提案。老朽化する既設ケーブルの漏油問題を懸念するお客様の要望を反映し、本プロジェクト向けのケーブルシステムを設計・開発しました。
本ケーブルは、CEケーブルを3本撚り合わせた構造(トリプレックス形)で、既設線路同等の送電容量を確保しつつ省スペース化が可能なため、既存鉄管路から既設ケーブルを回収して更新することができ、漏油防止および既存鉄管路を活用したケーブルシステム更新という課題を、併せて解消することができました。また、その構造から施工における省力化を実現し、これらの効果により、本管路に関わる将来への保守運転費用の低減に貢献します。
2020年1月に着工した施工作業として、電力ケーブルの敷設に加え、電力ケーブル用温度測定システムの設置等を実施し、当初計画通りの本年3月15日に完工を果たし、PG&Eによる竣工試験を経て、本年5月16日に更新プロジェクトは無事完了しました。
当社が開発したトリプレックス形CEケーブルは米国では2018年に初めて採用され商用運転されています。老朽化したパイプタイプケーブルシステムの更新需要がますます高まる中、当社は施工・保守・運転負担の軽減に寄与するトリプレックス形CEケーブルを通じて、今後も米国の電力安定供給に貢献してまいります。
(写真右) トリプレックス形CE ケーブルを敷設する様子
■ ご参考
- 2019年5月16日 プレスリリース 高圧直流ケーブル事業の推進
https://sei.co.jp/company/press/2019/05/prs040.html - The Leading Company for High Voltage Cable and Overhead Conductor(英語)
https://global-sei.com/power-cable-business/
以上